JICA海外協力隊の世界日記

この島、ポイ捨てやめるってよ

1年経って思うことを徒然なるままに

あっという間にパラオに来て1年と2ヶ月弱!本当に時が経つのを早く感じます。日本とは完全に異なる環境の中で生活していて色々と感じてきたことがありますので、今日はそれを書き綴ってみたいと思います。

まずはパラオ、というよりも任地のペリリュー島について。

パラオの中心部のコロールから船で南西に1時間半(もしくは2時間半。船によって異なる)の場所に位置する離島。人口は最新の情報で400人。少ない!と思いきやパラオ国内では3番目の州人口です。

島には小学校(生徒数61人。8年制)が一つ。高校がないため若者はみんな卒業後に島を離れます。警官は1人。この前パトカーに乗ったら(決して捕まったわけではない)、ハンドルが物凄くデコレーションされていました。日本人は私含め4人。他の人はホテルやダイビング関係の方、JICAボランティアは私だけ(5/22現在)。

飲料水は雨水。決して衛生的ではないのはわかっていますが、ミネラルウォーターを毎回買ってたら生活費が足りないので雨水飲んでます。それでも水道から出る水よりかはキレイ(多分配管が腐ってる)。水道水は「この色大丈夫?」という時が度々あり、島民が次々と腹痛で倒れていきます。

島民の皆さんは、まあ優しい時もあればそっけない時も。基本気分屋です。よく「南の島の人はみんな大らかだよ」という声を聞きますが、断言しましょう。それは間違いだ!大らかというか、ただ単にのんびりしているだけです。本人たちが口をそろえて、「私たちは怠け者だから」と言ってますからね。どうしたらもっと働いてくれるだろう。永遠のテーマです。

島には娯楽施設はありませんが、その代わり大自然がたくさんあります。一歩街中から外れるとジャングル、またジャングル。そして突如現れる戦跡!大砲や戦車を柵もなく間近で見ることができるのは、ペリリューならではの光景です。島に来た頃は頻繁に戦跡巡りをしていましたが、今では海に泳ぎに行ったり島の高台に行って水平線を眺めている方が多いです。本当に健康的な生活をしていると思います(食生活は不健康ですが)。

この島には何が必要だろう?島に来た1年前からずっと考えてます。今行っている活動も、島に来て1ヶ月以内にこれが必要だと考えたことを順次形にしていっているにすぎません。それほど「ソトモノの感覚」というのは大切だと思います。現地の生活に完全に馴染んでしまったら見えなくなってしまうことがたくさんあると思っていますので、あくまで「日本人として指導しに来た」、ということを忘れないように気を付けています。

環境教育隊員としてメインの活動となっているリサイクルプロジェクトは、幸運なことに形となりしっかり動いています。その上で、この島に他に必要なことは何か、と考えた時、やはり「お金」に行き着きます。

パラオは米国や日本、台湾等の諸外国から多額の援助を受けています。それはもう、多額の。ペリリュー島はさらに特殊で、日本との関係性が非常に強いこともあり、気が付けば新たな車両が寄付としてオフィスの脇に置かれていたりします。寄付、本当に有り難いです。有り難いですが、残念ながら問題も起こってしまいます。それがよく聞く「援助慣れ」です。悲しいかな、同僚の人達、援助をもらえることが当たり前と思ってしまわれています。仕事をしなくても支援してもらえるなら、そりゃみんな怠けますよね。日本人の団体が来るたびに、「タカ!次はあれが欲しいって言っといて!」と無茶な仕事を振られます。自分たちでお金を稼いで買おうよ!

というわけで、次の活動として「Omiyage Project」なるものを始めようかと考えています。ちなみにお土産はパラオ語でもオミヤゲ。このプロジェクトはただ単に州の収入を増やすことだけが目的ではなく、日々島を訪れる観光客の満足度を上げるということも目的としています。時々「ペリリュー島のお土産は何がオススメですか?」と聞かれますが、特に何もないため答えることができず申し訳ない気持ちで一杯なのです。せっかくこんな遠いところまで来て下さるのですから、何かしら形として思い出に残るものを持って帰って頂きたいのです。

実はすでに構想を練っているので、州知事がGoサインを出してくれさえすれば動き出します。そのGoサインをもらえるかが最大の関門なのですが。。。上手く行ったら報告させて頂きます。

最後に。今のように不自由な生活をしていると、やっぱり日本って凄いんだと改めて思います。インフラは十分過ぎるほど整っているし、教育の質は高いし、ご飯は美味しいし、治安も抜群にいいし。何より、みんなちゃんと働く!ちゃんと働く国民性だからこそ今の日本があるとパラオに来てしみじみと思いました。その日本が培ってきた知識や技術を途上国に広めるために我々協力隊員も頑張らないといけないですね。

さあ派遣期間も半分を過ぎ、現地での生活にも完全に慣れ、あとはガムシャラに働くだけだ!!!!!!

(写真は先月コロールで行われた「生け花ワークショップ」の先生と)

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