2019/08/15 Thu
文化
夢にまで見た梅干し
こちら、花梅(ハナウメ)
赤紫色で、チョ~酸っぱい。
実はコレ、日本人移民がブラジルで「梅干し」を再現するために作り出したもの。
移民当初、ブラジルの地で日本食が簡単に手に入るはずもなく、人々は工夫を凝らし、こちらで手に入る材料を使って、懐かしい日本の味を再現しました。味噌や醤油、納豆、豆腐も多くの方が手作りしていました。
この「花梅」は、ローゼルというハイビスカスの一種を塩漬けにして出来ています。味は、シソの風味が強いように感じます。
私は花梅を作っているメーカーの回し者ではなく・・・
ブラジル派遣前、まだJICA横浜で日本語教師対象の研修を受けていた時、
「『移民学習』の授業を考えよう」という課題が出たことがありました。(中南米の日本語学校で、日系の子どもたちに移民の歴史、"祖先の歩み"を学んでもらうことを目的とした授業です。)
色々調べる中で、私はこの花梅の存在を初めて知って、「苦労して再現した日本の味」をテーマにした授業案を作ったのでした。
あの時、自分自身がまだ見たこともないモノを題材に授業を考案し、発表していました。
「花梅」は移民してきた日本人の知恵の結晶。
彼らがここで感じていたであろう郷愁に私も思いを馳せます。
ブラジル日系社会版「梅干し」に出会えた感動をお届けしたく。
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