JICA海外協力隊の世界日記

古田賢二のネパール大好き日記

年に一度の業務報告会

先に紹介しましたが、私の職場は、農業開発省食品技術品質管理局で通称「DFTQC」と呼ばれている食品の安全と品質の管理を任務とする所です。

今日から3日間、年に1度の業務報告会が開催されます。各職場や支所ごとにパワーポイントを使って1年間の業務実績を発表します。私も、3日目に発表をさせてもらうことになりました。カウンターパートのライさんは検査部門の責任者で、ここ1週間は発表原稿のチェックに余念がありません。10時30分に2階のセミナーホールに行きました。農業開発省から事務次官ほか2名の来賓を迎え、11時に開催されました。来賓と所長の挨拶が1時間以上続いて、本題の発表が始まりました。初日は、各部長さんからの報告でした。私は、ネパール語の会話は問題ありませんが、読み書きは小学校1年生のレベルです。また、今回のような公式の場での発表には、会話で使われている言葉とは微妙に違った言葉が使われます。このため、発表内容が十分理解ができない時もあり、近くの同僚に教えてもらいながら発表を聞いていました。

2時頃にカジャ(軽食)が配られ、40分間ブレイクしました。ランチボックス様の紙の箱に、モモ(蒸餃子)、プーリー(揚げパン)、ジュース、バナナと甘い菓子が入っていました。5時まで発表が続きました。検査をどれだけやって違反がこれだけあった。あらたに添加物の検査に取組んでいる。精度管理の研修を実施した。ホテルやレストランの立入検査をして衛生状態を評価した。期限切れの食品を廃棄処分した。地震で被災した地域への支援食料の点検をした。地元の果実を使った加工食品を作った。食品製造者、レストラン経営者、女性支援団体などへの研修会を開催した。などなど内容は多肢にわたっています。発表の後は質疑応答です。みんな積極的に発言し、不明な点や内容の不備な点やについて、容赦なく厳しい質問が飛びます。

私は発表を聞いて、①違反品の製造原因の調査や事業者への改善指導の発表がないこと、②検査対象が流通食品に限られ、一般の人が利用している食堂や茶屋で提供している食品の検査がないことの2点について、質問と意見を述べました。答えは所長から、「今は手が回らないので、これからJICAからもっと多くの支援をもらって対応していきたい」との答えをもらいました。その他に、いつも所長や同僚に指摘していることですが、食品の安全確保を標ぼうしている組織であるにも関わらず、食品事故・食中毒の統計や調査の発表が一切ありませんでした。などなど、なぜ?と感じることがたくさんありましたが、一年間の実績をまとめて発表し、職員全員で情報を共有し議論している姿にとても好感を持ちました。

3日目、午後1時過ぎに私の発表の順番が巡ってきました。先にカウンターパートのライさんから、外国機関の支援プログラムの実施状況について、UNIDO(国際連合工業開発機関)の説明がありました。次に、私から、JICA即ち私の活動についての説明を行いました。パワーポイントのスライド12枚で構成しました。冒頭に自己紹介で、私の名前を呼ぶ時にはケンジと呼び捨てにしてネパール語で「さん」に当たる「ジ」は付けないでください。「ケンジジ」となってしまうと日本語では年寄を意味します。と引っ張り込み入れたのが大受けし、次はどんな面白いことを言うのかと熱心に話を聞いてくれたようでした。JICAの紹介、食品工場視察同行、カビ毒検査用に高速液体クロマトグラフ用の蛍光検出器の配備、東ネパール地域のカビ毒調査、日本の研究機関に依頼したカビ毒の検査結果、大腸菌群と油の過酸化物価の迅速検査キットについて、約15分間説明しました。報告会の終了後に、日本でのカビ毒の検査結果や迅速検査キットの購入先等について質問を貰いました。質疑が4時半ごろに終わりました。最後に所長から事業報告会の総括が約1時間あり、勤務時間の5時を過ぎること45分、3日間の業務発表会は終了しました。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ