JICA海外協力隊の世界日記

赤道直下滞在記

待ちに待った 初めての試作

私は今2カ所の生産者組合で活動しています。そのうち一つでは、カカオ豆の品質管理や商品の開発をする研究室を建設しています。

今年の1月から購入する設備のリストアップや購入先の確認など準備を行っていましたが、その設備がやっと11月中旬に設置が始まり、試作できるようになりました。(上の写真は設備設置の様子)

私のレクチャーを受ける生産者組合の皆さんは、研究や試作の方法を習得するために集まっていたのですが、設備が無い間は私の講義で関連知識を学習することしかできませんでした。

やっと試作できるようになったのですが、どの機械も初めて扱うものばかりです。そのため、最初はデモンストレーションを見てもらい、安全面での注意事項と使い方を学習してからのスタートとなりました。

これらの設備はこの生産者組合の皆さんが使いこなしていかなければなりません。そのため、10名弱の受講生の皆さんを3チームに分け、チームごとに各設備を担当してもらうことにしました。そしてデモで使い方を学習した後、翌週までの宿題として、各機械の操作マニュアルを作ってもらいました。初めての試作では、そのマニュアルに基づいて各設備の使用方法を全員に説明してもらい、試作をスタートしました。

初めて機械を扱うので皆さん緊張していましたが、マニュアルも概ねできており、他のチームのメンバーも真剣に使い方を聞いてメモしていました。(上の写真は設備の取り扱い方法を説明している様子)

そして、2日かけて受講生皆さん念願のチョコレートを試作しました。原料計量の様子は真剣そのもので、講義のときよりも一層目を輝かせていました。(上の写真は原料の計量の様子)

計量直後は本当にチョコレートが出来上がるのか不安そうでしたが、翌日できあがった試作品を見ると、受講生の皆さんは口々に「いつ取り出すのか」「もう味見していいか」と、状態を確認するのが待ちきれない様子でした。

受講生の皆さんの強いプレッシャーを受けながら、なんとか私が後の手順を説明した後、念願の自分達で作ったチョコレートを取り出してもらいました。3チームがそれぞれ異なる配合で試作してもらいましたが、器具に残ったチョコレートを味見して互いに感想を言い合っていました。

もっとも、チョコレートを取り出した直後に停電となってしまったり、器具の一部がまだ到着していなかったりして、試食用のサンプル作成は次回に持ち越しとなってしまいましたが、これまでで、受講生の皆さんの笑顔が最も多い一日となりました。

最初なので品質面はまだこれから、というところですが、皆さんが楽しそうに一生懸命取り組んでいるのを見ると、素晴らしい品質の製品ができあがるのも遠くないように思います。

私の活動期間は残り少なくなりましたが、できるだけ多くのことを伝えたいと思った2日間でした。

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