JICA海外協力隊の世界日記

黒海中継 by チーム・ギレスン

ギレスン島 ♯2

チーム・ギレスン SV 丹羽です。

先月、以前記載したトルコに於ける黒海唯一の島、ギレスン島にとうとう行きました。

ギレスン市中心部の港湾から直線では1.2Kの距離を、防波堤を迂回しながら片道40分程にてギレスン島の小さな港に着きます。該当フェリーは場所(階)によって料金が違いますが、一人15TL(トルコリラ)程で割安かと思います。当日はラマザン中で就航時間に変更がありましたが、大変混み合っていました。航路では、以前陸から見かけたイルカがいればと期待しましたが会えず、かわりに多くのクラゲを見かけました。又、フェリーからのギレスン市等の景色は大変素晴らしく、心地良い短い船旅です。将に、ここは森林の緑と黒海の青が溶け合う場所です。

やおら4haの岩場の島に上陸し少し歩くと、すぐに直径4mの丸いハムザ石(Hamza Taşı)が見えます。豊饒と健康を叶える石と言われ、ギレスンの年一回5月開催のアクス・フェスティバルのスターティング・ポイントでもあります。寺院、砦等の遺跡があり、ギリシャ時代から続いている事は以前に記述しました。ポントス王ミトリダテス6世(在位: 紀元前120年~前63年、ローマと三度戦う)の伝説を紹介します。貧しい羊飼いの青年に恋をした王女を、怒った王がギレスン島に投獄し、更に青年を監獄の前の桜の木に吊るし処刑しました。王女は悲しみに耐えきれず、翌日、自ら首を吊り自殺したとの事です。ギリシャ人は1468年迄、この島に住んでいたようです。

島は現在トルコ政府による歴史・自然指定地域で、人の居住は禁止されています。ちょっとしたハイキングコースかと思われ、海鵜とカモメの大繁殖地でもあります。従い、糞にはご注意を。

さて、ギリシャ人に関し、ギレスンにも1万人以上(方言等からポントス人と呼ばれた?)が、1923年のトルコ人・ギリシャ人の住民交換前後迄住んでいたよう様子です。悠久の歴史の中で、ここにギリシャ人がいないのはほんの短い期間かも知れません。一方、今年は残念ながら、国際的イベントとして1992年から続くアクス・フェスティバルが、テロが遠因にて中止となりました。次世代の為に、人間の叡智を持って、平和が訪れることを願って止みません。

では又、いつか。  チーム・ギレスン 丹羽世之樹

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