2024/09/26 Thu
文化
#22 部族
国土が日本の約2.5倍もあるタンザニアには、地域ごとに100を超える部族があると言われています。日本でも有名なのはマサイ族でしょうか。そしてそれぞれの部族には誰もが知る特徴があります。例えば〇〇族はお酒が大好き、〇〇族はよくしゃべる、〇〇族は恋愛が大好き、など様々です。日本でいう県民性に近いのかもしれませんが、誰もが知っている共通認識があるという意味では、日本のそれよりも明確に区別されているようにも感じます。
私の仲の良い同僚の1人はキリマンジャロ地方のチャガ族です。チャガ族の特徴は「よく働く」「お金が大好き」「お酒をよく飲む」と言われています。
実際、その同僚は本当によく働き、仕事をテキパキとこなします。お酒を飲みに行った時にはビールを2本ずつ頼むのが当たり前で、10本飲んでもけろっとしています。そして、会計の際にはレシートをつぶさに確認しており、日本人以上に細かいかも、、と思ってしまいます。(こちらでは金額をかさ増しして請求されることがあるのも一因ですが)
もちろん全ての人々に当てはまる訳ではないでしょうが、このような姿を見ると本当に当たっているかも、、、と思うこともあります。実際、ビジネスに成功しているタンザニア人にはチャガ族の人間が多いとも言われています。
そして部族にはそれぞれに部族語もあります。なので、タンザニアの公用語であるスワヒリ語は実は彼らの第2言語である場合も多いです。はじめてチャガ族のチャガ語を聞いた時には、この人は中国語をしゃべっているのではないかと思ったほどです。ただその部族語も若い世代になると話さない人も増えてきているようで、活動先の20歳前後の学生に聞いても、「自分は部族語は話せない」「少ししか話せない」という声もちらほら聞かれます。
このように、もし本気で調べたら気の遠くなりそうな情報量がありそうなそれぞれの部族ですが、私の住む首座都市ダルエスサラームには全国各地から様々な部族の人々が集まっています。ただ彼らは決して部族の違いによってお互いを差別するという感じではなく、むしろそれを面白がっているように見えます。
一般的にスワヒリ語でPolepole (ポレポレ=ゆっくりゆっくり)と言われるタンザニアの国民性ですが、広大な国土に100を超える部族があるこの国の人々をひとつに特徴づける方が難しいのかもしれません。
これからもまだ知らないタンザニア人の色んな一面を見てみたいと思います。
ではまた次回。
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