JICA海外協力隊の世界日記

微笑みの国から

レスミー先生は情熱家 !

NEAの建物とは塀を挟んだ向かい側に、王立プノンペン大学外国語学部日本語学科の建物があります。2005年に正式に日本語学科としてスタートしました。それ以前は、JICAボランティア活動の一環としてJOCV隊員が、プノンペン大学のそれぞれの学部で日本語を教えていました。現在、日本語学科学科長であるレスミー先生は、その日本語教育コースの第1期生だそうです。その後日本に留学し、日本語教育修士課程を修了した後、日本語学科長として日本語教育指導に熱心に取り組んでいます。外国語学部には、5学科あります。英語科、日本語科、韓国語科、中国語科、タイ語科。日本語学科は、英語科に次いで生徒数が多い。現在550名の学生たちが勉強しています。それでも一時期、学生数が低迷し、学生を確保するのに苦労したそうです。そこで、2009年から地方の高校を訪問するキャラバンをスタートさせました。1回のキャラバンで15校の高校を訪問し、日本語と日本文化を紹介して回り、日本語学科に入学する勧誘をしたそうです。こうした努力が実を結んで、入学者数が増え始め、英語学科に次ぐ規模になりました。

卒業生の85%は日系企業に就職します。残りの10%は日本に留学するようです。

就職先を見つける一番の方法が、先輩からの紹介だそうです。カンボジアの学生は紙に書かれた求人票は信用しないようです。一番身近な先輩、知人の言葉を信用するそうです。この点が日本の学生とは違いますとレスミー先生は言います。

レスミー先生は、日本語教育の普及に長年取り組んできました。2013年には個人的にNGOを立ち上げ、地方の高校生を対象とした日本語教育に取り組み始めています。「地方の高校生は、素直で、勉強熱心。勉強する動機付けを与えれば一生懸命勉強します。将来の夢が持てない高校生に日本語教育を通して夢を与え、自立した人間を育てるのが目的です。夢の実現には教育が一番大事です。自分の頭で考え、実行することで夢が実現できることを自分自身の体験として伝えたい」と、熱のこもった言葉で教えてくれました。レスミー先生はよく“恩返し”という言葉を使います。「人から何かをいただくばかりでは駄目です。現在の自分は、周りの人間のおかげで、成長し、自立できたのだから、今度は自分が困っている人のために何かをしなければいけません。私の場合は、いろいろな人たちからの支援で、日本語教育家として人生を歩むことができました。ですから、今後は日本語教育を通して”恩返し”をするつもりです」。レスミー先生は熱い口調で話してくれました。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ