JICA海外協力隊の世界日記

私,ジブチほっとけんし!!

ジブチの民族 【アッファール族とイッサ族】

マヒセーニ!(アッファール語)
スバッワナグサン!(ソマリ語)
現地語での朝の挨拶です。
こんにちは。JICAボランティアのはばのです。

今回はジブチの民族について紹介したいと思います。ジブチには主に2つの民族が暮らしています。
2つの民族とは,エチオピア系アッファール族とソマリ系イッサ族です。両民族は見た目はほとんど変わりませんが,それぞれ全く異なる現地語を話し,それぞれの独自の文化を持っています。その現地語とは,アッファール族はアッファール語を,イッサ族はソマリ語を話します。アフリカ諸国ではいくつもの民族が暮らす多民族国家も多く,2つの民族のみが国の大半を占めるというのはアフリカ諸国の中では珍しいかもしれません。ただ,日本のように単一民族からしたら驚くことが多々あります。

ジブチは過去にアッファール族とイッサ族の間で紛争が起き,約10年間内戦をしていた時期があります。今は,両民族が争うことなく仲良くくらしていますが,ジブチ国内のほとんどの街や村はアッファール族かイッサ族どちらかの民族のみが暮らしていることが多いです。例えば,首都はイッサ族が大半を占め,現地語もソマリ語が主流です。北部の街や村になると,アッファール族が大半を占め,南東部の村になるとイッサ族が大半を占めます。そんな中でも,私が住んでいるディキルという街はジブチの南西部にあり,アッファール族とイッサ族のどちらも生活しており,両民族が共存している街と言われています。なので,現地語はアッファール語もソマリ語もどちらも使われています。ちなみにこの写真は,ジブチ南西部にあるアッセイラというアッファール族の村です。

配属先であるディキル保健センターにはアッファール族もイッサ族も患者さんとしてやってきます。
 

ここで困ったことになることがあります。
  

それは医師が診察する際に,医師がイッサ族で首都出身者となるとソマリ語しか話せず,アッファール族の患者さんが何を訴えているのか分からないという場面が多々あります。その時に大活躍するのがディキル出身の同僚たちです。同僚の中にはアッファール族とソマリ族のハーフもおり,両現地語に堪能な同僚たちが何人かいます。日本だと,方言の違いで多少分からないことがあったとしても症状を訴えることは出来ますよね。ここでは,患者さんたちの多くは公用語であるフランス語やアラビア語を話すことが出来ず,現地語のみで生活しているため,症状を医師や看護師に伝えることすら難しいこともあります。



この写真は,アッファール族の患者さんです。手に持っているのは,グレ(GLEH)と言われるアッファール族伝統のナイフです。

私が住んでいるディキルはアッファール族とイッサ族の両民族が共存している街と紹介しましたが,生活していて民族意識の根深さを感じることがあります。ディキルの人々はみんな仲良く平和に暮らしているのですが,誰かが何か悪いことや意地悪なことをすると,必ずアッファール族なのかイッサ族なのかという話が出ます。現地のジブチ人たちと話をしていても,自分のことをジブチ人という人は少なく,民族で自分を表す人がとても多いです。民族に誇りを持っていることは素晴らしいことだと思いますが,街で何か問題が起きたときに必ず民族に結び付ける感覚は日本人の私にはない感覚でとまどうこともあります。

ディキルの街では,時々両民族間でいざこざも起きているみたいですが…。いたって平和な街なので,これからもアッファール族とイッサ族が仲良く暮らし続ける街であってほしいと思います!!

この写真は,ディキルで仲良くしてくれているイッサ族の子どもたちです。
アッファール族とイッサ族の文化についてはまた別の機会で紹介していきたいと思います。
今回はこのへんで。

幅野由樹子

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