JICA海外協力隊の世界日記

コーヒーの国 グアテマラから

植林活動 シーズン2

みなさん、こんにちは。

10月も中旬に入り、長かった雨季がようやく終わろうとしています。グアテマラは常春の国と呼ばれることがありますが、大きく雨季と乾季の二つの季節に分けることができます。ちなみに、グアテマラでは雨季をinvierno(冬、4月~11月)と呼び、乾季をverano(夏、12月~3月)と呼びます。ですので、日本では夏が終わり秋が訪れる季節かと思いますが、グアテマラでは、冬が終わり夏がやってくるという感覚です。

今回は、雨季にしか行うことができない活動、植林についてご紹介します。

昨年もお伝えした植林活動ですが、今年もさらに多くの団体、学校の協力のもと行うことができました。6月から10月にかけて、これまでに約200名の方々とのべ400本近くの木を植えました。植えた木は、松や杉といった針葉樹とハンノキのような広葉樹の大きく分けて2種類の木を植えました。

昨年は私も植林初心者でしたので、参加者と同じように植えるだけ、参加者が置きっぱなしにしたビニールの苗袋を拾うだけ、という活動でした。しかし、今年はいつ誰と植林を行うかという調整や、事前準備(予め森に入って、生え放題の草木を刈り取り、植林のための穴を掘るという活動)、当日は植え方の指導、事後活動(植えた木がしっかりと根付いているかの確認や添え木などの補助)なども行い、より様々な活動に携わることができました。今年は私自身が定期的に中学校で環境教育授業を行っていたこともあり、授業の一環として植林活動を組み込んでいました。

昨年度は、参加した児童たちはほぼ全員といっていいほどビニールの苗袋を植えた場所近くに放置していました。しかし、今年は先生だけではなく、参加者自身から苗袋を置きっぱなしにしないように、という注意をする姿や、苗袋を進んで回収している姿が見受けられました。この光景を見たときに、昨年との大きな違いを感じることができました。

また、昨年はただ植林をするというプログラムだけでしたが、今年は植林を終えた後、少しですがネイチャーアクティビティなども取り入れることができました。実は私の任地であるサンマテオ市は、近くの森までは徒歩15分もかからず行くことができるのですが、用事がない限り人々は森に足を踏み入れることはありません。

森のなかで目を閉じて鳥の声を聞いたり、風を感じたり草木の匂いを感じたり。植林だけではなく、そういう体験も自然を敬う気持ちや環境への意識を養うことにつながると考え、実践してみました。

昨年も150本近い木を植えることに携わりましたが、今年になって気がついたことがあります。それは、植えた木すべてが成長できるわけではないということです。今年昨年植えた木を見に行きましたが、半数近くは成長できていませんでした。うまく根付かなかったり、光が十分に届かず、枯れてしまったり。木が周りの草に埋もれてしまっていたり、と植林した木が大きくなるのにも多くの条件が必要なのだなと改めて感じました。植えたら植えっぱなしではなく、注意して大切に管理していくことが重要なのだと感じました。

「森を大切する」、この言葉は私が授業の中で幾度となく使った言葉です。森林伐採の話題、地球温暖化の話題、土砂崩れなどの自然災害の話題の際によく使います。植林活動を行うことによって、同じ森に何度も足を運ぶことによって、この言葉がどれだけ重たい言葉か少し理解できるようになりました。切ってしまうだけなら、簡単です。ですが、森を維持することがどれだけの時間と労力を要するか。植林活動を通じて私自身も考えることがたくさんありました。

植えた木が1本でも大きく成長してくれることを願っています。

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