2018/10/24 Wed
人 教育 文化
先生の日 ~ブラジルは10月15日~ さわやかNo.29
10月17日の練習の日に,1人の選手が,
「先生!いつもありがとうございます」と,チョコレートをくれました。
『え?何のチョコ?』と質問をすると,
「一昨日の15日は先生の日やったからー」と。
そうやったん!と,その時初めて知るという。笑
【ブラジルにおける教師の日とは?】
ブラジルでは,この「教師の日」を“Feliz Dia do Professor”と言います。
ブラジルで10月15日を「教師の日」として制定されたのは1963年だそう。
起源は1827年までに遡り,当時のブラジル皇帝「ペドロ一世」が1827年10月15日に,ブラジルの初等教育に関する法律を制定したことに由来するんだとか。
各都市,町や村が学校を所有すること,教育のための人材(=“教師”)が雇われること等の内容が決められました。
その後,Salomão Beckerという先生(ブラジルでは名の知れた教育者)が10月15日に自分の教え子とささやかなお祝いをしていました。
その活動が,ブラジル全土に広がり,1963年に「教師の日」として正式に制定されることになったのだそうです。
【世界教師の日】
『へぇ〜なるほど!』と,ブラジルの「教師の日」については,起源を知ることができました。
しかし,この記念日に馴染みが全くなかったものですから,ブラジルだけかなぁ?と調べてみると,いやいや!多くの国にこの「教師の日」があるみたい!
実は1994年にUNESCO(国際連合教育科学文化機関)が10月5日を「世界教師の日」に制定しています。
普段お世話になっている教師に,感謝の気持ちを伝えるこの文化は世界中で浸透しており,各国それぞれの「教師の日」に合わせてイベントも盛んに行われているようです。
【日本では?】
しかし,日本にはまだまだ馴染みのない,この「教師の日」。
昨今,日本の先生たちの置かれている環境が,大きな社会問題となっていますね。
国際的に行われた調査(*出典:OECD「国際教員指導環境調査(TALIS) 2013年 (34の国と地域))では,日本の教師の勤務時間の長さは調査国中で一位。
また,平均勤務時間も各国のものを大きく上回っているという結果が出ています。
(この調査結果は,2013年のものなので,ひょっとすると,現在はさらにその数を大きく上回っている可能性もありますね。)
私も現場経験があるので分かります。
授業に加え,校務分掌に部活指導。こどもへの想いが溢れる先生ほど,時間という水かさがどんどん増え,それがやがてキャパシティを越え大洪水となり,私生活でも仕事を続けることになる傾向が多々見受けられます。
元々仕事量が多い上,想いが溢れるがために,仕事量がさらに増える。
そのバランスは各教師の裁量ですし,自分の納得するレベルも各教師によって全然違いますので,なんとも解決策を出すには,大変難しい問題でもあります。
しかし,こうした「教師の日」が目に見える形であることで,「生徒は教師へ」「教師は生徒へ」日頃の感謝を互いに伝えやすくなり,ほっとした気持ちになれるのではないかと思います。
より良い関係を築くきっかけにもなりそうですよね。
日本にはまだ,「教師の日」は定着していませんが,「一般社団法人 教師の日普及委員会」もあるそうで,
日本でも教師の日を作ろうと,毎年色々と活動をされているそうです。
【この記事を通して伝えたいこと】
やはり,自分が「指導者」として,毎日関わる子どもに「いつもありがとう」と言ってもらえると,気持ちがスーーーっと軽くなります。
自分なりには,まだまだだなぁ〜と思っているところに,ありがとうと言ってもらえると,“よし!この子のためにもっともっと頑張ろう!”と,自分を奮い立たす意欲が湧いてきます。
普段から言い合える関係を築くことがベストでしょうが,あえて,それを意識できるような形を作ることも素晴らしいことだと思います。
日頃の感謝を人に伝える機会って,あればあるだけ幸せになれるんやから,「世界教師の日」のことも「教師の日普及委員会」の活動のことも,知る人が増えるといいですね。
世界中の教師・先生のみなさん!お疲れ様です!未来をつくる子どものために共にアイデアを出し合い,前に進んでいきましょう!!
そして,私自身のたくさんの先生のみなさん,いつもありがとうございます!
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