JICA海外協力隊の世界日記

人類みなアミーゴダイアリー in BRASIL

ファンになりました~夢を叶えるまでの話⑨~ さわやかNo,48

【保護者の本気で子どもが変わる】

2019.02.02


真夏の暑さが最高潮の2月の始め。

日本遠征へ向け,あるイベントが開かれました。

2枚目の写真にもある,『コステラ(牛のあばら肉)』をじっくりと焼き上げ,振る舞うそんなイベント。
このイベントは,日本遠征への資金を賄うためのもの。

保護者や配属先の方々が,職場の人や家族・友人を招待し,たくさんの人に来ていただきました。

この日,初披露となったのが1枚目の写真にあるフラッグ。
ブラジルと日本の国旗をミックスさせ,右上に滞在先である『HIRAKATA/OSAKA』の文字と,左下に地元の『INDAIATUBA/SÃO PAULO』の文字。
今回の遠征に向け,配属先がプレゼントしてくれたものです。

今回のイベントを開くことになったのも,保護者の方と共に“資金を作り出すために良い方法はないか”と,夏休み中から会議を重ね準備をしてきました。

これまでの会議はなかなかの難航路線。どうしても想いが伝わらなかったり,うまくいかなかったことも多々ありました。
しかし,いざ「やるで!」と決まれば,すごい人たちの集まりだなとつくづく感じます。
『仕事は?家庭のことは大丈夫ですか?』と心配になるほど,グラウンドに来ては打ち合わせをし,車を乗り分けて食材の買い出し,机や椅子の運搬。

そんなお父さん・お母さんの姿をみて,この日は子どもも精力的に働いていました。
いつもなら,こうしたイベントではチャチャッと食事を済ませて,すぐに遊びに行く子ども達なのですが,この日は食器を下げたり,ゴミ拾いをしたり,片付けを率先して行ったり。

「自分たちのために,たくさんの方が動いてくれてる」と自覚をしたようで,これまでとは動きが全く違いました。

【ファンができた記念すべき日に】

会の締めにと,「先生,最後に皆さんに一言言ってもらえますか?」と保護者の方。


生演奏でこのイベントを盛り上げてくださっていた,ソロライブをしていた方からマイクを借りて,挨拶をさせていただきました。

このイベントは,日本遠征へのためであること。この機会によって,子どもたちと私の夢が叶うこと。支えてくださっている方々への感謝の気持ちを伝えました。
話し終えた後は,子どもにマイクを渡し,一緒にお礼を伝えました。

温かい拍手をいただき,お辞儀をし,皆さん元の場所に戻って行きました。

そして,歌手の方もマイクとギターを持ち,ソロライブを再開するため,次の曲を弾き始めようとしたその瞬間,

「ちょっと待ってーーーーー!!!!!マイク貸して!!!」

と,一人のお客さんがその歌手の元へ。
60代でしょうか,女性の方です。

見るともうその人は涙目なんですね。

そしてマイクを握ると,「今の先生と子どもたちの言葉を聞いて,感動してしまいました。この協会及び野球部が,街の子どもたちの育成の場所になっているということは昔から知っていました。今回,こうした会に初めて参加させていただいたのですが,今の話を聞き,また子どもたちのお手伝いする姿や,保護者の方々の奉仕の姿を見て,このチームのファンになりました。どうか,この遠征を成功させて,多くの学びをし,ここインダイアツーバに大きなお土産を持って帰ってきてもらえたらなと思います。素敵なイベントに呼んでいただきありがとうございました。」と。

その方の言葉にさらに大きな拍手があらゆる所から。
とても温かい空気が流れる中,このコステラのイベントは終了しました。


今回のこのプロジェクトは,日本の皆さんのご支援・地元インダイアツーバの方々のご支援により,進めることができています。
人の優しさから学ぶものは何よりも大きな自分の財産になります。
その学びを,目一杯吸収し,今後の人生の中で少しずつ還元していくことができるように,しっかりと子どもたちとこの想いを大切にして行きたいと思います。

《続く》

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☆今回のブログでは,日本遠征実施に到るまでの出来事を,時間を遡って書いています。時間の錯誤にご注意ください!!☆

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