JICA海外協力隊の世界日記

ボツワナ不思議発見!

ハケナ・マタータ?

ディズニーのライオンキングでおなじみのハクナマタタ。スワヒリ語でNo Problemという意味ですが、セツワナではハケナ・マタータと言います。ボツワナ人は温厚でめったに怒らないのもこの精神のおかげかもしれません。たとえば、スーパーのレジですごく待たされても文句を言わないし、たまに銀行の列で割り込みをする人がいても言い争いになったりしません。誰も不満に思わないのかな~?と不思議に思ったので、担当するワークショップで「いけてないサービス」を自由に書いてもらいました。今日はその中からいくつかをご紹介します。

自動車免許の筆記テスト会場にて・・・「試験は8時半から始まるはずなのに説明もなく外で待たされ、建物の中に入れたのが9時。その後試験会場に入るまでさらに何の説明もなく1時間待たされた。」

病院にて・・・「心臓の不調を診てもらうために朝6時半ごろにクリニックに行った。受付を済ませ、体温、血圧、心拍数を調べると、36.2度、160/97、81で、すぐにでも診察が必要なほど血圧が上がっていたにも関わらず夜の7時まで待たされた。別のドアにもうひとつの待ち行列が作られており、苦情を訴えていたのに誰も教えてくれなかった。」

携帯電話ショップにて・・・「ブラックベリーの新機種を購入したら、ソフトの更新が必要なので2日間待ってくれと言われた。2日後に取りにいくと倉庫が全焼して保険会社と警察が調査中だと言われた。消費者保護団体と弁護士に相談すると訴えて10日後にやっと携帯を取り戻すことができた。」

ボツワナではよくある「いけてないサービス」事例の数々。現地の皆さんも心の中では不満に感じていたのですね。それを顔にも出さずにすましているあたりは、やっぱり素敵な国民だな~とあらためて尊敬の念を深めました。

「ハケナ・マタータ」は、無用な争いを避ける素晴らしい社会の知恵である一方で、私のミッションである「改善」を阻む障害にもなっています。なにせ無駄や不良でお客を待たせても「ハケナ・マタータ」の一言で解決してしまう「魔法の言葉」なのですから!

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