JICA海外協力隊の世界日記

Sasa!ケニア・ティカ通信

2年間の活動の終わり Asante Kenya!

Sasa!みなさんこんにちは。2年間、ケニアで環境教育隊員として活動してきた加賀瀬です。
いよいよ、長かった2年間の活動が終わりを迎えようとしています。

3/10(金)に、配属先であるキアンブ郡の水・環境・エネルギー・天然資源部の同僚たちや、ウェイストピッカーのリーダーたちへの活動報告会を実施しました。

3/13(月)に、1年と10ヶ月間暮らし、活動したティカの街を発ち、首都ナイロビへ上京しました。

3/14(火)にはナイロビで、JICAケニア事務所への最終報告を行いました。

日本への帰国が着々と近付いてきています。

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私たちは、コロナ禍まっただ中の2021年3月にケニアに派遣されました。
ナイロビに到着して数日後にケニアではロックダウンが発令され、ナイロビを中心とする首都圏地域とそれ以外の地域との往来が禁止されるなど、緊迫した雰囲気がありました。まだケニア国内でも多くの人がマスクを付けて生活していましたし、夜間の外出禁止令が続いていました。
「ウィズコロナ」時代の最初期の隊員として、感染対策をはじめ、安全最優先の中での活動となりました。おそらくケニア以外の国でも、隊員たちにとって、そしてそれをサポートするJICA関係者の皆さんにとって、大変な時期であったと思います。

2年間の活動は順風満帆ではありませんでした。前述のようにコロナ禍の中での活動であり、活動には様々な制限のあった時期です。
元々の要請にあった「学校を訪問しての環境教育活動」も、学校側が外部者の来校を断っている状況であり、活動開始の目途は立ちませんでした。

Covid-19の感染状況が収まった後も、実際には配属先には環境教育活動のための予算が存在しないことや、環境教育を行える人材がいないことが判明し、コツコツと進めてきた準備がすべて無駄になってしまったこともありました。
思うように活動が進まないまま、任期の前半は経過していきました。

しかし、配属先の別のチームがJICAの支援の下で始めたゴミ処分場の改善事業に関わることができ、ケニアのゴミ処分場をじっくり隅から隅まで見て、現状を知る機会に恵まれました。
その中で自分に何ができるかにたどり着くまでには、また時間がかかりました。最終的にウェイストピッカー(ゴミ処分場でゴミから有価物を回収して生計を立てている人々)に対するワークショップを開催するところまできたのは、帰国の前月2023年の2月に入ってからでした。

Sasa!ケニア・ティカ通信『ウェイストピッカーに対するワークショップを実施しました!』

隊員期間の最終盤に始まった活動のため、十分な数を実施することができなかったり、活動の成果を確認したりすることなく帰国することになってしまいました。その点で反省すべきことは非常に多いです。
しかし、あきらめずに活動を続けた意味はあったと思います。配属先ではウェイストピッカーたちに対するワークショップを継続してくれており、私が関わっていたもの以外にも様々なかたちで彼らとのコミュニケーションを継続していくようです。
将来的に処分場の改善活動の中で、何らかの形で私の活動が活かされたら本当に幸せです。

この2年間のJICA海外協力隊員としての経験は、私にとって本当に貴重なものでした。

『JICA海外協力隊の世界日記』の読者の方であっても、多くの人にとってアフリカはいまだに未知の場所だと思います。
私が協力隊員として2年間ケニアで暮らし、活動した結果としてわかったのは、アフリカの人々も私たちと変わらない人間であるということでした。
言葉にしてしまえば、まったく当たり前のことです。ですが、それを2年間体験したことで、実感を持って言うことができます。
もちろん、文化も言語も生活習慣も社会の在り方も肌の色も、表面的な部分では多くの部分が違っています。そういう違いに直面して、戸惑ったり、思い悩むこともありました。
ですが、根本的な部分で大きな違いはありません。そこには人々がいて、家族や友人たちがおり、生活があり、人々はそれを維持していくために働いています。
私自身としては、2年かけてようやくその理解の入り口に立てた、というレベルだと思っています。

読者の方の中には、これから協力隊を目指す人、協力隊員として活動を行うことになった人もいると思います。
そんなみなさんにお伝えしたいことは、間違いなくこの2年間はあなたの人生を変えるものになる、ということです。
40年生きてきた私ですら、大きく人生観を揺さぶられる経験でした。若い人にとっては、なおさら大きな経験となることでしょう。
勇気を持ってチャレンジすれば、それだけ大きなものが返ってくるはずです。これまでの人生を見つめ直し、これまでに築き上げたきた自分自身の枠を外側へ押し広げていくような経験です。
そんな2年間を、ぜひ多くの人に経験してほしいと願っています。

最後に、この2年間の中で、多くの人たちにお世話になり、支えられてきました。
配属先の同僚たち、ケニアで仲良くしてくれた人たち、ともに活動してきたケニア隊員たち、遠く離れた国でがんばっている仲間の隊員たち、JICA関係者の方々、日本の家族や友人たち...
帰国を目前にして、感謝の思いと親愛の情と、そのほか様々な感情が頭の中でぐるぐると巡り、うまく言葉にはなりませんが、本当にありがとうございました。
多くの人たちのおかげで、この夢のような2年間を過ごすことができ、そして無事に日本に帰ることができます。

私の世界日記『Sasa!ケニア・ティカ通信』は今回で最終回となります。今までお読みいただいたみなさん、本当にどうもありがとうございました。
それではみなさん、Asanteni sana!Kwa heri!

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