JICA海外協力隊の世界日記

マーシャルのゴミから見える世界

その28:いよいよ最終回です。

日本に帰国してはや1ヶ月経ちました。この「マーシャルのゴミから見える世界」もいよいよ最終回を迎えることができました。私がマーシャルに赴任したのが2018117日、22ヶ月の赴任期間中、本ブログは13ヶ月の投稿となりました。果たして最後まで続けられるか不安でしたが、振り返ってみるとほぼ月2回の更新、ネタ切れもなく何とかここまで来ることができました。毎回楽しみにしているよという声と共に、マーシャルと職場MAWCにはそれだけの尽きぬ魅力があったのだと思っています。ここまでご愛読いただき誠にありがとうございました。
 写真は、帰国当日のMajuro空港での一コマです。前号「その27:出マーシャル 記」で述べていましたように、今回のコロナ肺炎対応による大騒動の帰国のため、当初予定していた我が職場MAWCでの帰国前報告会をする時間がなくなり、報告会後に計画されていた送別会も残念ながら中止。ところが、帰国当日MAWCのメンバーが大挙して空港まで来てくれて、何と空港ロビーで即席の送別会!ビックリすると共に、胸にこみ上げてくるものもあり、十分なお礼の言葉(マーシャル語で)が出てこないのが最後の心残りとなりました。帰国する方々、見送りの方々、そしてMAWCの仲間たち、各々の思いがこもった集合写真です。

#1 MAWC、その後

 帰国後も元職場のMAWCメンバーと情報交換をしています。その中でとても嬉しかったことがあります。それは、出国前日まで取り組んでいたCompost事業のことです。引き継ぎも最後はバタバタで十分にできず、一番気がかりだったのは出来上がったCompostの販売でした。Compostの製造方法については、これまでの試作を通じて現場の職員に伝えることができましたが、製品であるCompostについてはどれくらいの価格で、誰にどのように販売していくかということは十分詰めることができませんでした。本来ならば、次期シニアボランティア(SV)さんにこれらの課題を引き継ぎ、継続して取り組み・改善していただく予定でした。しかしながら、今の状況では次期SVさんの派遣時期も未定のまま。残念ながら、Compost事業の継続も先延ばしかと諦めかけていました。ところが、先日メールで確認したところ、本格生産の第1弾Compostの販売を始めたとの嬉しい報告!

 写真はその販売第一号の写真です。パッケージはまだ準備できておらず代用品。配達販売、パッケージ販売の方法などこれから手探りの状態ですが、とにかく製品が売れたという実績が残せたのは大いなる進歩です。それも、MAWCのメンバーみずから考えながら、実行できたということが今回一番嬉しかったことです。
 JICAボランティアの最終目標はみずからの仕事が不要となること、と言われています。自己矛盾のような言い回しですが、ボランティアの支援がなくても自律的に運営できるように支援すること、いかに技術を伝え、彼ら自身のものに消化してもらい、そして次の世代に伝えられるか、ということを求められているのだと理解しています。

#2 私のこれから

 上記のように、まだまだ私自身もMAWCから卒業できていない状態ですが、いつまでもこのままという訳にはいきませんね。せっかく得られたこの貴重な経験、出会いを活かして再びJICA SVに挑戦したいと考えています。それと共に、われわれSVは次世代へのバトンランナーです。日本国内でもそんなお手伝いができればと考えています。
 そんなことを、帰国後の十分過ぎる時間の中で考えていた最中に、以前の会社員時代からお世話になっていた方から「地域に環境文化を育てるフォーラム」という活動を立ち上げたいというお誘いがありました。実は、本世界日記のPROFILE/メッセージ欄にも「環境は生活であり、文化である〜」と引用させていただいておりますが、環境文化という概念を多くの方に理解いただき、持続可能な社会の構築を目指す活動です。まだまだこれからの活動ですが、その立ち上げをお手伝いしながら、JICAボランティアのやりがい(しんどさと楽しさ、やり残したことと達成できたこと、そして現地の人たちの笑顔などなど)を次世代に伝えていきたいと考えています。

 写真は我が故郷、滋賀県の琵琶湖湖岸です。いつの日にか、世界のどこかでまたお会いしましょう!

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