JICA海外協力隊の世界日記

マーシャルのゴミから見える世界

その4:ゴミの中身から生活を見てみると・・

 Majuroでは男性の休日の主な仕事が庭芝や庭木の刈り込みです。

#01 ゴミの中身は?

 ゴミの中身をみるとそこで暮らす人々の生活が見えてきます。

 ゴミの中身を調べることを専門用語で「廃棄物組成分析」といいます。平均的なゴミをあらかじめ決めた分類に基づき人手でゴミひとつひとつ仕分けて分類ごとの重量を測るという大変手間のかかる作業です。Majuroにおける廃棄物組成分析結果の一例を下図に示します。参考として、日本の家庭ゴミにおける廃棄物組成分析結果も示します。

 これから見えてくるものとして、まず一番多いものが草木類つまり伐採した樹木、刈り芝などです。これは冒頭の写真のように休日ごとに各家庭から大量に発生します。海洋性熱帯気候のためココナッツなどの樹木の生育が早いこと、各家庭からの刈り芝、落ち葉などが大量に発生することが理由です。

 次に多いのが紙オムツ類を含めた紙類。日本も同じく紙類は多いのですが、日本では印刷物が多くを占めています(紙類の約54%)。この国には本屋さんがありません。新聞はMajuroで週刊の新聞1紙のみ、折込チラシも入っていません。では紙はどこから?

 答えは段ボールなどの運送用途です。この国は資源を輸入に頼っているため、輸入に伴う包装類から多量の紙類廃棄物が発生します。 

 PETボトルを含むプラスチック類も12.6%とこれも大量に発生しています。現在、PETボトル、アルミ缶、ガラス瓶は“CDL”という新たな取り組みによりリサイクルできるようになっています(今後詳報予定です)。

 特徴的なのが紙オムツ類です。日本でも7.6%と多いですが、日本の場合は大人用の介護用途での利用が増えてきています。ここではほとんどが赤ちゃん用途です。前号でお知らせしたようにこの国人口増加率は大きく、赤ちゃんの人数がとても多いので、結果として(赤ちゃん用)紙オムツ類の消費が増えています。

 このようにゴミの中身を見てみると、ここで暮らす人々の生活が見えてくるように思いませんか?

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