JICA海外協力隊の世界日記

ここはアフリカ、モザンビーク

#7 実験紹介

私の主な活動は現地の化学教員の指導力向上に向けてワークショップを行うことです。ワークショップでは身近なものや現地で手に入るものを使った実験も紹介しています。

これまで行ってきた実験をいくつか紹介します。

①酸と塩基の指示薬

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ムラサキキャベツの煮汁を使って、酸性、中性、塩基性のときの色の違いを確認します。ムラサキキャベツは任地のシャイシャイにあるスーパーマーケットで売っていました。南アフリカから運ばれているらしいです。

ムラサキキャベツの煮汁に酢を加えて酸性にしたときは赤色、中性のときは紫色、重曹を加えて塩基性にしたときは緑色になります。ムラサキキャベツの色の変化は鮮やかなので、見ていて面白いと思います。

しかし、最近はムラサキキャベツが売っていないので、紅茶を使って指示薬の働きを確認する実験を行っています。

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左から紅茶に酢を加えて酸性にしたもの(酸性)、水を足して全量をそろえたもの(中性)、重曹と水を加えたもの(弱塩基性)、炭を燃やしたあとの灰を水に溶かした上澄み液を加えたもの(強塩基性)

少し分かりにくいですが、色の濃さに違いがあります。

beterrabaと呼ばれる野菜(ビート、テンサイと訳されています)も指示薬としての働きがあります。

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ただし、これは酸性では色の変化を示さず、重曹を加えて塩基性にすると色の変化を示しました。

現地の先生達も、紅茶やbeterrabaが指示薬の働きをすることは知識として知っているようですが、実際に実験をした人は少ない印象でした。


②アルコールロケット

この実験が現地の先生に一番受けがいい気がします。

1. 空き缶をよく洗い、よく乾かす
2. 空き缶に小さな穴(点火口)をあける
3. 消毒用アルコール(エタノール濃度70%)を空き缶の中に吹きかける
4. 紙コップでフタをして、手で少し温めてから、点火口に火を近づける

空き缶の中のエタノールが燃焼し、紙コップが飛んでいきます。

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この実験を紹介したあとに、現地の先生が授業で実践した様子がJICAモザンビークのFacebookで紹介してもらったので、よかったらご覧ください。https://fb.watch/kv1rU2oLc3/?mibextid=cr9u03


シャイシャイ市には8つの中等教育学校があり、実験室があるのはそのうち2校だけです。実験室はなくても実験試薬がある場合もあります。おそらく寄付で送られてきたものだと思います。

せっかく実験室や試薬があるのに、授業ではほとんど使われていないのが現状です。

③硫黄の同素体

実験室に眠っている試薬を有効活用するために、硫黄を使った実験を紹介しました。

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単斜硫黄とゴム状硫黄を作ってみせたのですが、モザンビークの教科書にはゴム状硫黄が載っていないので、知らなかった先生が多かったようです。


④銅の炎色反応

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銅線を買ってきて、その先を加熱してトイレ用洗剤(塩酸入り)につけると、塩化銅(Ⅱ)が生成するはずなので、それを炎の中にいれると銅の炎色反応を確認できます。緑色の炎はまるでハリーポッターの世界にいるかのように思えるので日本の高校生には人気でしたが、モザンビークではハリーポッターはあまり知られていないかもしれません。

空き缶を切って、そこに消毒用アルコールを入れて火をつけて炎をつくりました。

ワークショップで紹介した実験のうち1つでも、授業で使ってもらえると嬉しいです。

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