JICA海外協力隊の世界日記

カワカミアヤのマラウイ来まっシマ!

高齢者のためのクリニックinマラウイ

Monire!

世界日記をご覧いただきありがとうございます。

今回は先日見学に行ってきたクリニックについてのお話。

クリニックの紹介と、見学をして考えた自分に出来ることについて書いていきます。

先日、マラウイ南部にあるKALIBU ELDERLY CLINICという所に行ってきました。

【KALIBU ELDERLY CLINIC】

ここは高齢者のみを対象としたクリニック。

南部の都市ブランタイアから約35km、公道を50分、野道を20分走った所にあります。

マラウイでは高齢者のみを対象としたクリニックはとても珍しく、2014年に建てられたここは5年経った今でもブランタイア近郊では唯一の施設です。

施設長1名+医療スタッフ4名+セキュリティなどのスタッフが働いており、医療スタッフは医師1名、看護師2名、理学療法士1名が常駐しています。

施設の取り組みとしては、基本的な外来診察の他に医療の手の届かない地域に向けてアウトリーチングプログラムも行っています。

【え?高齢者?と思ったアナタ】

“短命”というイメージが強いマラウイですが、実は近年徐々に平均寿命はのびています。

(画像:https://m.theglobaleconomy.com/Malawi/Life_expectancy/より引用)

最新の2018年のデータではマラウイの平均寿命は64.2歳。

ここ10年で約10歳も平均寿命がのびています。

実際に見学に行った日の外来診察には約20名の方が来られ、最も若い方でも60歳を超えていました。

また、アウトリーチ先では対応した15名中半数以上が80歳以上の方でした。

この施設に限らず、高齢の方が理学療法のために近くの病院に行くことは多々ありますが、実は現状として

・高齢者より若年者の方に優先的に理学療法が行われる(特に子供)

・「もう年だから」で済まされてしまうことがある(理学療法に限らない)

・高齢者に対する理学療法に精通しているセラピストが少ない

というのがあります。

【高齢者に対する理学療法、そのモデル施設になるために】

ここに理学療法士が常駐するようになったのは20192月から。

現在働いている理学療法士は長年マラウイ唯一の回復期病院で働いていました。

このクリニック最初の理学療法士として働くことを決めたのは、先ほど述べた現状をなんとかしたいという気持ちがあったから。

個別での理学療法だけでなく、集団での体操、認知機能トレーニング、アウトリーチ先での身体に関するアドバイスなど様々な活動を行っていました。

冒頭の写真はクリニック内で外来患者に向けて集団体操を行なっている様子です。

将来的にはこの施設を南部だけでなく中部、北部にも作り、

・高齢者のサポートが出来るようになる

・高齢者についての研究が行える場所になる

・高齢者についての教育が行える場所になる

ことが目標だと言っていました。

【わたしに出来ることって何だろう?】

活動も1年を迎えようとしていますが、自分が何か貢献したというよりもここマラウイの地で自分が学んでいることの方がまだまだ多いなと感じる今日この頃。

このクリニックに行って自分でも少し力になれることがあるのではないかと思いました。

今回は集団体操や自宅で行うホームプログラムについて一緒に少しディスカッションを行いましたが、ここではクリニックを発展させるためのアイデアを強く求めています。

日本という長寿国に生まれたわたしたち日本人は、臨床現場で高齢者を対象とすることが多々あります。

自分の経験が少しでも役に立つよう、サポートを続けながら自分の出来ることを探し続けたいと思います。

今回は高齢者のためのクリニックについてのお話でした。

ご覧いただきありがとうございました。

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