2019/05/16 Thu
活動
マラウイの病院設備って?


Monire!
世界日記をご覧いただきありがとうございます。
活動先へ赴任し早8ヶ月。
まだまだマラウイの医療体制や組織などわからないことだらけ。
未だに「え!?これってそうだったの!?」と驚くことが沢山あります。
本日は自分の知っていることの整理がてら、マラウイの病院設備について簡単に紹介していきます。
【マラウイの病院の種類】
大きく公立病院、私立病院に分けられます。
(厳密に言うと病院でないものもありますがややこしいので全て病院とまとめます。)
公立病院は大きい順で①Central Hospital、②District Hospital、③Health Centerがあります。
① Central Hospitalは北部、中部、南部地域などその地域を管轄する大きな病院で、主に管轄する地域の重症患者の受け入れ、地方の病院への技術支援などを行なっています。
② District HospitalはCentral Hospitalよりもより小さい地域単位にあり、例えば北部地域であればムジンバ県、ルンピ県など各県ごとにある病院です。
③ Health Centerはもっと小さい地域単位にある病院で、イメージとしては日本の地域に根付いた診療所のようなものです。
もちろんCentral HospitalからHealth Centerでは規模が違うため、設備の点でも当然違いがあります。
今回はわたしの活動先でもある、国内に4つしかないCentral Hospitalの病院設備について触れます。


【Central Hospitalの病院設備】
Central Hospitalには、基本的に日本の総合病院にあるようなものはほとんど揃っています。
国内4つのCentral Hospitalの中でも内2つは病床数300-400床、他2つは病床数1000床以上と規模には違いがありますが、設備に関してはほぼ違いはありません。
ICU、HDU(High Dependent Unit)なども完備しており、ICUには人工呼吸器も存在します。
X線、超音波、マンモグラフィーなどの検査も可能です。
しかしMRIは国内に1つしか存在せず、南部のマラウイ第2の首都と呼ばれるブランタイアにしかありません。
CTスキャンは首都リロングウェにもあります。
わたしの活動先にはCTスキャン、MRIともに存在しません。
そのため脳卒中と思われる患者がいても詳細な損傷部位や程度は客観的に評価することが出来ません。
病的反射などから予想することしか出来ず、片麻痺以外の症状は見落とされることもあり、評価の上での理学療法士の役割は大きいと言えます。
今度わたしの活動先にもCTスキャンが来るという噂。
早く来ることを祈っています!!


【リハビリテーション科の設備は?】
国内4つのCentral Hospitalを見た結果、設備に関してはこちらも日本とほぼ違いはありません。
上の写真はわたしの活動先のリハビリテーション室の写真です。
写真から見てもわかる通り、平行棒、階段、治療用ベッド、バランスボールや重錘などがあります。その他にもトレッドミルや自転車エルゴメータなどもあり、日本のリハビリテーション室で見るような物品は全て揃っています。
最初この部屋を見た時は、
「え!?日本にいた時の職場より充実してるんじゃ!?と思ったほどです。」
不足している物といえば、物理療法機器、評価器具など。
わたしの配属先では温熱治療に使用する赤外線、電気マッサージャーはありますが、超音波や電気療法(TENSなど)の機器はありません。
また、評価器具では握力計やゴニオメーター、ハンドダイナモメーターなど数値的に評価出来るものもありません。
その他の物はほとんど揃っていて、膝や肘のサポーターなんかは数えきれないほどの量が倉庫に眠っています。
最初に協力隊員としてマラウイに行くと決まった時、
「きっと何も物品がないんだろうな…。大丈夫かな…。」
と不安に思ったものですが、来て見るとその充実ぶりに本当に驚きました。
また、活動先のすごい所は病院にカーペンターがいて何でも作ってくれるところ。
最初に予算さえ申請していれば、待合用ベンチ、練習用階段、治療用ベッドなど何でも作ってもらえます!!
これはマラウイならではの素晴らしい所です。
途上国=なにもないというイメージが先行してしまいますが、マラウイでは自分たちの施設で作ったり、他国からの支援を受けたりして日本とほぼ代わりない設備が準備されています。
設備の面で途上国での活動に不安を抱いているセラピストの方にもこの情報を知ってもらい、少しでも不安が減ればと思います。
今回はマラウイの病院設備についてご紹介しました。
ご覧いただきありがとうございました。
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