JICA海外協力隊の世界日記

全身サモア

ミュージアム・トーク

8月10日(金)午後2時から、配属先のサモア国立博物館でMuseum Talkのイベントを開催しました。ゲストスピーカーは、日本の国立民族学博物館(民博)からミュージアムの調査でいらした林勲男先生。林先生は、民博とJICAが共催している「博物館とコミュニティ開発」という、途上国をはじめとした世界中の民族博物館の職員を対象としたトレーニングで、私の同僚二人に講義をしたご縁もあり、今回サモアにいらっしゃいました。

博物館にはAMP(Annual Management Plan: 事業計画)があり、この計画自体は博物館の規模にあっている(と私は思う)のですが、設定されている展示替えや教育普及のイベントを中々こなせない/こなそうとしない状況がありました。このMuseum Talkというプログラムも、年2回はやりましょうということになっているに関わらず、企画しても、企画書を同僚と一緒に書いても何度もキャンセルされてしまう…というなかなか鬼門のプログラムになっていました。

そんな時に、林先生からサモアに来るというご連絡をいただき(これまで私は先生と実際にお会いしたことはなかったのですが)今回のトークをお願いすることになりました。サモアの博物館がジョージ・ブラウン牧師(メソジスト教会から派遣され、パシフィックの国々に宣教をしていた19世紀後半の牧師。大阪の国立民族学博物館は、彼のコレクションを多数所蔵している)の撮影した写真コレクションのコピーを所蔵していることから、何かそれに絡めて先生の知見をご発表いただけないかと依頼させていただきました。

博物館に適切な会場がなかったため、隣にあるナショナル・アーカイブス(公文書館)の会議室を借りて行った今回のミュージアム・トーク。林先生からは、ジョージ・ブラウンと彼のコレクションについてはもちろんのこと、コレクションが部分的に民族学博物館に所蔵された経緯や、近年民博で取り組まれている「フォーラム型情報ミュージアム」のプロジェクトについてお話いただきました。

トークには約25名が参加し、サモアの歴史や文化遺産に関わる研究者・政府関係者・実践家(アーティストなど)を中心に沢山の方々に集まっていただくことができました。質疑応答セッションの時間がもう少し欲しかったかな…とも思いますが。

サモアに暮らす人々にとって、自分たちの祖先が生み出し、日々の暮らしで使っていたものはとても大切な遺産です。その情報が異国の地からいかに情報発信され、今を生きる人々に還元されていくべきか。。とても意義深い2時間弱のセッションになったのではないかと思います。

トークのあとには、多忙のためアピアの街をまだ散策されていなかった林先生に、歴史的な名所や教会などを同僚とともにご案内。私自身にとっても、普段見慣れている場所をよく見て、再発見する機会となりました。

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