JICA海外協力隊の世界日記

手のひらのパナマ野生蘭

「ちっちゃな靴」の蘭

こんにちは。あゆみです。

今回は、ユニークな愛称で知られるパナマの蘭を紹介します。

〈写真上記〉

愛称Zapatito(ちっちゃな靴)

学名:Phragmipedium longifolium

愛称Araña (蜘蛛さん)

学名:Brassia arcuigera

蘭の学名は、発音がとても難しいです。

なので、「Phragmipedium(フラグミペディウム)」という学名よりも、「Zapatito(サパティート“ちっちゃな靴”)」と、地元の人には呼ばれています。

また、蘭の学名は「Phragmipedium longifolium」のように、名字と名前をもっているので、なんだか外国人の名前を唱えているようですね。

学名でも愛称でも、名前を呼ぶことで、いかにこれらの蘭がパナマの地元の人々に親しまれているのかが想像できます。

パナマは乾期と雨期、(夏と、まったく寒くない冬)の二つしか季節がありません。

それでも、3月になればSemana Santa (復活祭)にちなんだ紫色の美しい蘭Encyclia cordigera(通称・Semana Santa)が咲きますし、同じ日に、こっちでBrassiaが咲いたと思えば、遠く離れたあっちでも、Brassiaが咲いている、ということがよくあります。

このように、自然界ではどんな花や植物も、自分が咲くべき瞬間をちゃんと知っているのです。

“You think you own whatever land you land on

The earth is just a dead thing you can claim

But I know every rock and tree and creature

Has a life, has a spirit, has a name”

わたしの大好きな歌、Colors of The Wind の一節です。

わたしたちは、絶滅危機と呼ばれる蘭の保護にしばしば頭を悩ましていますが、そんなことをものともせず、蘭たちは、季節が来ればちゃんと自らの力で花を咲かせます。

蘭園の生活も、今年で二年目を迎えます。

毎日、彼らのたくましい成長をみていると、

”人間が保護をしてあげている”

なんておこがましい考えで、むしろ自然の生命力の強さに驚くばかりです。

そんな当たり前のことを、わたし自身も含め、もっと、もっと、多くのひとが実感できるのであれば、わたしたちの生活も、より彼らに寄り添った方法に代えることができるのかもしれませんね。

Ayu

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