2018/01/28 Sun
文化
モザンビークの昔話3
日本の漫画とアニメが大好きで、ひまがあれば漫画を描いたり、パラパラアニメを描いたりしているハリスが、かわいい絵を描いてくれました。色鉛筆の手描きですね。それをスキャンして、服の柄は、コンピュータで張り付けたようです。バレという娘と、マメジャというヤギのお話です。このふたつの名前は、南部では聞かない名前で、北部で使われる名前だそうです。モザンビークには地方ごとにたくさんの現地語があるのですが、このお話は、きっと北部のお話なのでしょう。ちなみに、首都マプトは、南部です。
バレとマメジャ
昔、バレという名の娘がいた。バレは結婚が決まりこれから新しい生活を始めようとしていた。バレの家にはマメジャというヤギがいた。マメジャは全ての家事をこなすことができる魔法のヤギだった。
バレ: お母さん、マメジャをくれませんか。
母: だめだめ。マメジャは娘みたいなものだから。
バレ: でもお母さん、私は料理ができないの、
知ってるでしょ。これがばれたら離婚されてしまう。
母: そうねえ。しかたない。でも、マメジャを外に
出しちゃだめよ。だれにも見せちゃだめよ。
バレ: わかりました。
バレ: マメジャ、私といっしょに来て。
マメジャ: しかたないですね。あなたは何もできないから。
バレ: そうそう。私は毎日畑で働くから、
あなたが家事をやってね。
マメジャ: はい、はい。
そのうちに、マメジャは近所のこども達に知られるようになった。気のやさしいマメジャはみんなから好かれた。
こども1: わあ、ヤギだ。ヤギが働いてる。
こども2: ホントだ。ヤギが料理してる。
こども3: わあ、ヤギが歌ってる。
こども達: ヤギさん、もっと歌って。
ある日、パーティーをすることになった。
バレ: マメジャ、明日はパーティーだから、
働かないで隠れていてね。
マメジャ: はいはい。わかりました。
マメジャは言われた通り隠れていたが、そこにあったワインを飲んで、酔っ払ってしまう。
マメジャ: あら、こんなところにおいしそうなワインがある。
いただきまあす。ああ、おいしい。ゴクゴク。
・・・あ、そうだ。はたらかなくちゃ。
人々: あ、ヤギだ。ヤギが働いてる。どうなってるんだ。
夫: なんて恐ろしい!これは魔法か!
銃で殺してやる!
バレ: 待って待って!殺さないで!
夫: おまえ!おまえのヤギか。なんて恐ろしい魔法を使うんだ!
出ていけ!おまえの顔なんか見たくない!
バレ: わかりました。出ていきます。マメジャ、いっしょに行こう。
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