JICA海外協力隊の世界日記

エクアドルBOSAI日記

活動ふりかえり(2018年2月)

オラ!皆さんこんにちは。

早いもので2月も中旬になってしまいました。前回の投稿から早1か月近くが経ち、隊員2年目の日々はとても早く過ぎ去ることを実感している日々です。

さて、今日からしばらくはこちらの世界日記をお借りして、去年から一年間の活動をふりかえりたいと思います。

そうすることで少しでも防災隊員の活動を知っていただき、またエクアドルにも興味を持っていただくきっかけになればと願っております。

エクアドルへ到着したのが2018年1月、そして1か月間のオタバロ(インディヘナ部族が多く暮らす伝統的なシエラ(山岳地帯)の街)での語学研修を終え、任地サリーナスへ赴任したのが2018年2月16日のことです。

忘れもしない、首都キトのJICA事務所でのカウンターパートたちとの出会いは、今でも昨日のことのように鮮明に記憶しています。

まず、何を言っているのかほとんど聞き取れない。今までの語学研修は何だったのかと自問するほど、コスタ(海岸部)のスペイン語は早くて訛りがあると気づきました。そして疲れと眠気と色々な期待と不安でキトからの飛行機に乗り込んだことを覚えています。

コスタ地方の中心都市グアヤキル空港へ到着し、ロビーを出た瞬間むわっとした湿気と何とも言えない暑さで「あ、コスタに来た!」と実感し、さぁこれからはここで何とか頑張っていくしかないと腹を決めました。

危機管理課(現:危機管理部)での活動は、現在は防災教育のみに携わっているのですが、赴任当時は他の業務にも同行させてもらえたのでエクアドルの危機管理業務の現状をお知らせするためにも記録に残したいと思います。

サリーナス市はエクアドルの最西端に位置するため、陸海空軍の基地を所有し、その基地の中に国定公園もあるという少し変わった環境下にあります。また、海岸部が海抜ゼロメートルに近いため、大雨・洪水・高潮・地震・津波といった災害時には、避難できる高台は国定公園を含めて2か所しかありません。しかしながら、軍の家族、関係者以外には市街地から約3キロメートルの場所にある高台にはまず避難時間が間に合いません。そのため、「避難ビル等への垂直避難」が市民の命を救うために重要となります。

1枚目の写真は、避難ビルの一つであるバルセロホテルの写真です。このほかに、海岸沿いのコンドミニアムやホテルなど、2019年2月時点で9か所の津波避難ビル(正式には候補地)があります。避難訓練時には観光客や近隣住民の避難場所として開放してもらっていますが、一番の課題としては2015年以前に建設された高層建物の場合、地震に耐久性のある建物かどうか明確に判断できる基準がなく、専門家が調査するにも柱の検査等費用と時間がかかることから、正式な津波避難ビルの認定はまだ実現できそうにありません。

続いて2枚目の写真は、とある土曜日に市内の脆弱な地区で、国の支援で建設された供給住宅に暮らす障がい者のご家族を持つ方々に対して、近隣道路の整備を行う工事に伴う一定期間の生活不便解消にかかる支援キット(2週間あまりの食料などが入った必需品セット)を配布していた時のものです。同時に市職員有志もミンガと呼ばれる大清掃を行い、無料健康診断も行うなど一大イベントのようにして特定の地区を支援するという取り組みを行っていた時の様子です。

危機管理課のカウンターパートに同行していた私はカメラを携えながら、汗だくになりながら50軒あまりの住宅を一軒ずつ訪問し、危機管理庁の職員たちと一緒に支援キット配布をお手伝いさせてもらいました。

こうした緊急時の予算は他にも各種災害時にも使われ、人口9万人の中規模都市としては非常に手厚い支援を行っているという印象でした。

そして写真3枚目のように忘れてはならないのが大雨対策です。

私が去年赴任した際はこの写真の前日を含めてほぼ2日あまりの大雨で、あとは不思議にもぴたっと雨が降らなかったのですが、通常1月から7月ごろにかけてはエクアドルは雨期に入っており、毎日のように雨が降り注ぎ、ポイ捨ての問題による排水溝づまりや、未舗装地帯といった脆弱な地帯が比較的多いサリーナス市では簡単に洪水が起こってしまいます。

今年は既に数回こうした雨による洪水被害もあり、さらには去年末から高潮被害も続いているので災害への危機意識をさらに高める必要があるといえます。

配属先では、こうした緊急時の情報収集、現地調査、報告書作成に加え、通常業務として市内各地で開催される個人・団体のあらゆるイベントの危機管理対策について事故防止、防災の観点から現地調査、報告書作成が行われています。

そのため、24時間365日、市役所の就業時間に捉われることなく勤務するのが危機管理課にとっては当たり前といえます。

JICAボランティアとして私に課されたお仕事は防災教育だけなのですが、赴任当初に火事も含めたこうした現地調査への同行させてもらえたことが、宮城県石巻市役所で震災復興のお仕事に携わらせてもらっていた当時を思い出し、エクアドルにおいて防災に携わることのできる環境に感謝し、自分にできることから続けていこうと決意を新たにした時期でもありました。

3月以降の活動ふりかえりに続きます。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

¡Que tenga un buen día! (ケ テンガ ウン ブエン ディア!)

よい一日をお過ごしください^^

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