JICA海外協力隊の世界日記

マレーシア日記・ザ・介護士ともあん

令和5年 師走 おかげ様で何とか生きております 「恩師に会いに行く」編

こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?
師走に入り、年越しまであとわずか。

私は、先日、マレー語のCikgu(「先生」の意味)に会いに行ってきました。
私の恩師でもあります。(写真左)

私にとっての恩師はこれまで5人います。
小学校6年生の時の担任、大学時代のドイツ語教授、排泄ケアをご教授下さった先生、元JICA技術顧問、そして、こちらのマレー語のCikguです。
恩師方からは、習得すべきことだけでなく、人生において大切な経験を与えてもらいました。

Cikguとの繋がりは、
任国派遣前に受ける、JICA二本松訓練所の語学訓練で初めてお会いしてから、かれこれ早3年。
当時訓練所でマレー語が(も?)ダメダメだった私を、今日まで見捨てずにお付き合い下さっています。

当時を振り返ってみると、覚えがスーパースローの私は、授業中Cikguからの質問に答えられず、
苦し紛れに姑息な技に走り・・・
当てられそうになったら、目を逸らして逃げる、(しかし逃げきれない!)

週末の小テストでは、教室の掲示物から単語を盗み見して書き取る、(しかし文法で間違えて結果アウト!盗み見もバレる)
・・・などをしておりました。

それでも、
訓練生5人で受ける授業時間は、毎日とても充実していて、他の語学のクラスから「いつも笑い声が聞こえてくるよ。」と声をかけられることがありました。
Cikguは、訓練生がお互い会話をすることで実践となる機会を大事にされていました。そして、毎朝、授業前には、私たちのマレー語で書いた日記を添削して下さいました。

しかしながら、
「訓練、楽しかった!」で終わってしまえば、実際マレーシアに行って苦労するのは私自身。

努力の甲斐あって、最終試験を何とかパスして訓練を修了しましたが、何とコロナ禍のために渡航は延期、待機となってしまいました。
これまでの訓練所のように、さまざまな機会を与えてもらえる環境から一転。これからは渡航に関するあらゆる事柄において主体的に準備する必要がありました。マレー語の習得もしかり、マレー語習得に関して考えつく全てをやりました。結局渡航再開までに2年かかりましたが、その間JICAからのサポートがあって、オンラインでCikguのマレー語レッスンをマンツーマンで受けることができたのは幸運でした。

今でも・・・
今こそ、Cikguの教えは、マレーシアでの生活で生きていて、

ものごとを焦らない、現地の人々のリズムを観る、状況の中で言葉の感触を学ぶ、

を、たびたび私は反芻しています。

マレー語を諦めることなく続け、語学の魅力に導かれたのは、Cikguの理解と協力、忍耐、そして寛容のおかげです(そしてユーモアも!)

そして、今

こうして恩師と、マレーシアで、マレー語で、冗談を言い合えていることは恵まれたことです。

さて、
Cikguがお家へ戻られた後、近くのイチゴ園に行って、ちょいと休憩。(かつ、ここでも食べる!)
マレー語について語り合いました。

「日本人の話すマレー語は、マレーシアの人にはどのように聞こえているのだろう?」
という私の疑問に関して、JICAボランティアと多く関わってきたアズルールさん(写真左)は、
「単語の順が逆になっていることがあるよ」と教えてくれました。これは私もよくやってしまいます!
buku besar (大きい本)」を、「besar buku」と間違えて、意味が「本の大きい」???となってしまう感じです。

「マレー語は、話すのは簡単だけど、書くのが難しい」
という意見もあって、

たとえば、
話し言葉の「pakai(着る)」を書き言葉にすると、「memakai」と変化・・・!
(きちんと変化の法則があります)
私の場合は、教材の文を書き取って、その構造を真似して、そしてとにかく書いて、何とか習得しました。

何だか分からないことに翻弄されながらも、結果的にマレー語で伝え合えていけてるのは、私たちは母国語が通じない場所に置かれ、その状況の中でも言葉を身につけていく能力が、生き抜く一種の力として発動しているのかもしれません。

これは、JICA二本松訓練所のマレー語インドネシア語クラス全員の集合写真。
訓練終了の間近だった頃です。

マレー語とインドネシア語はある程度通じるので、両クラスの訓練生は毎日行き来していました。

撮影した日から、ほぼ3年経ちました。

今進んでいる道はそれぞれ。
そして、その道はそれぞれに美しい、と私は想いを馳せます。

それではまた。
お読み下さってありがとうございます。

どうぞ良いお年をお迎えくださいますように!

☆ 写真中のインドネシア語クラス、伏見さんの世界日記もぜひ!
「インドネシア日記〜ソロ活動中〜」
☆ 派遣待機期間中に魂こめて歌っていました→ Gemuruh Faizal Tahir

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ