JICA海外協力隊の世界日記

マレーシア日記・ザ・介護士ともあん

令和6年8月14日(水曜日)の日記「輪島 風の人」編

皆さん、こんにちは!

おかげさまで3月中旬に任期を満了した、近藤知子です。


派遣前訓練では2019年度3次隊、コロナ禍の待機期間を経て、2021年度7次隊としてマレーシアに派遣され高齢者介護で活動していました。

先日、青年海外協力協会/ JOCA を通じて能登半島の輪島市へ行き、ボランティアに参加しました。


令和6年能登半島地震により被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
また、輪島の皆さまのご親切に心からの感謝でいっぱいです。

今回は、その忘れ難い一日を「風の人」としてお届けします。

午前

6時 コインランドリーへ行く

目覚めが良くない・・・眠気が残っている。
今日で活動4日目、疲れが出てきたのかな?
でも洗濯のためコインランドリーへ行きたいのでとにかく寝袋から出る。
同室の2人はすでに起きて、部屋にいなかった。

ベースキャンプから歩いて10分ほどのコインランドリーへ向かう。
アスファルトに歪みや亀裂があったり、瓦礫が落ちていることがあるので、注意を払って歩く。

コインランドリーに到着すると、他のボランティアの人たちも洗濯に来ていた。
ここは地域の人たちも洗濯に訪れる。多くない洗濯物を抱える人を見て、ここを利用される理由を思い巡らす。

8時 ブリーフィングを受ける

JOCA職員の方から、改めて仮設住宅を訪問する上で重要となる事柄について説明を受ける。
特に、車中泊をしていた方々、「大丈夫です。」と回答する方々に注意を払う重要性を学んだ。
また、ボランティア自身が心身に疲労を溜めず、リリースすることも。

9時 記録の方法をおさらいし、仮設住宅の情報を下調べする

JOCA職員の方から、情報の記録方法についておさらいを受ける。
日を重ねることで出てくる疑問もあったので、質問し、説明を受けてクリアになった。
ボランティア皆さんの建設的な意見交換に学ぶことが多くて、職員の皆さんは私たちの疑問を受け止めくれるので安心する。

相棒(仮設住宅の訪問は2人ペアで行う)と訪問する世帯ごとの情報を確認する。


10時 仮設住宅へ向かう

疲れを伴う眠気があったので、みんなに断って車の中で寝ておくことにした。
さまざまなバックグラウンドを持つ人びとが交わす移動中のおしゃべり、とっても大事。目をつぶって聞いているだけでも面白い。

今回、私たちペアに割り振られた仮設住宅の訪問予定のうち、これまでに留守や入居していない等で面会できていなかった住民に会えることが重要だった。
運よく、そのうちのお一人に会えた。
ボランティアからのご挨拶に始まり、お話下さったことを記録に控える旨、了承頂き、お話を進めていく。

実際、住民の皆さんにお会いして、健康状態や生活上のお困りごとなどを、初対面の私たちが訊ねていくのだが、日々、心のうちで戸惑いの連続・・・。調査疲れで嫌気がさしている住民も多いという。

その一方、見逃せない状況もあって、それは一見「大丈夫です。」と回答下さっても、実は深刻な問題が潜んでいる可能性があるからだ。上記の住民の方がそのケースに該当するように私たちは感じ、担当のJOCA職員の方に面会した状況をいったん報告した。すると、再度訪問して、一言添えておくよう助言してくれた。些細な疑問も自分で判断せず、相談する重要性を実感。また、ペアで一つ一つ確認し合っていくことも然り、互いの着目点の違いが情報のモレをカバーしてくれる。

午後

12時 みんなで昼食の買い物へ行き、ベースキャンプで休憩する

前述の仮設住宅から近い所に大きなスーパーがあって、ボランティアみんな楽しそうに好きなものを選んでいた。
また、そこでは、小さな朝市が開かれていて、海産物をはじめとした品々が売られていた。
輪島は朝市が有名で、しかしながら、甚大な被害を受けた場所でもある。私はお土産にお塩を買った。

ベースキャンプ(写真上)に戻り、みんなでご飯を食べる。こういった細やかなことがホッとする幸せな瞬間。

1時半 訪問の記録を入力し、次に訪問する仮設住宅の情報を確認する

有難いことに私の相棒はたいへん聡明な方で、的確に記録作業を進めてくれた(泣)し、私は大いに頼った。

2時 仮設住宅へ向かう

今回の仮設住宅訪問では、「未入居」とされている世帯の状態確認が最優先事項だった。
訪問すると、住んでおられることが確認でき、快くボランティアの訪問に応じてくださった。
午後の日差しが大変強いので、お互い疲れないように場所と時間に配慮が不可欠。

訪問するごとに痛感するのは、住民皆さんが私たちボランティアにお話を聞かせて下さるお気持ちの有り難さ。
それを尊いこととして、私たちは胸にしまっている。

夕方

5時半 輪島カブーレ (写真右下)へお風呂に入りに行く。

「修養館のボランティアです」とスタッフに伝えて、無料で入浴をお世話になっている。
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ここは潮のお湯が肌に気持ち良いし、地域の人たちに混ざって入るのが嬉しい。
洗い場で、お隣さんと挨拶から会話が始まり、なんとそのご婦人が私の背中を流してくださった。心から嬉しかったので、謹んで甘えた。

土の人」であるご婦人が「風の人」である私の背中を流してくれるんやなあ〜、とか思って・・・。

7時 夕礼

毎日7時から夕礼があり、JOCA職員、避難所や仮設住宅を訪問したボランティアがそれぞれ状況を報告する。また、当日到着したボランティアは自己紹介をして、活動最終日の人はお別れの挨拶をする。私は後者だ。

もう一人、活動最終日の人がいて、彼女は避難所で連日住民の皆さんと関わった様子を話してくれた。
その話からは、少しずつ丁寧に歩み寄って寄り添う姿が見えた。

8時 三夜踊り (写真上)におじゃまする

三夜踊りは輪島市指定無形民俗文化財。
前日の様子を他のボランティアが感銘して、私に参加を勧めてくれた。みんなに着いていく。

到着すると、笛、太鼓、三味線そして歌に合わせて、踊りの輪があった。
地域のご婦人が教えて下さるのに着いて、私たちも輪に加わった。

10時半 就寝

朝に感じていた疲れがすっきり解消されていた。
土の人に背中を流してもらい、潮のお湯に浸かり、そして踊ったからだと思う。
同室の一人はすでによく眠っている、かわいいな。
それぞれに思いがあって、共にここにいる、と思いながら寝袋に入った。

・・・・これにて8月14日の日記はおしまい。
お付き合い下さって、どうもありがとうございます。
輪島から戻って、思い返されるのは、派遣前訓練や、任地で経験したことが、知らず知らずのうちに活かされていた、ということ。どうやら私にも協力隊スピリットが根付いているようです(笑)


ここに書いたことは、限られた極々一部です。お察しの通り、表現に特に配慮しています。もっとみんなの声を伝えられたら、とも思う。
ですから、この次は、能登半島でお会いできますことを心より願っております。輪島へ移住すべく、私は準備に取り掛かりますので。

Jumpa lagi ! (マレーシア語で「またね」)

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