JICA海外協力隊の世界日記

難民支援記録ー30年後の平和構築をデザインする

6月その1ー難民居住地での日々(世界難民の日)

>自己紹介

ウガンダ南西部・ナキバレ難民居住地で活動しております近藤靖です。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の提携機関・ンサミジ社会開発訓練校UNHCRプロジェクトにて居住難民・ホストコミュニティ(ウガンダ人)に対する生計向上活動に携わっています。

>書きたいこと

赴任から8か月を過ぎ、難民居住地での活動も今や日常となりました。居住地ですれ違う大半の人は難民であり、ウガンダ人、支援者が僅かにいるという日常です。ここでは毎月、定常業務としての生計向上活動、難民居住地に暮らす人々とのやりとりや、そこで私自身の感じたことを綴りたいと思います。

(写真は6月20日世界難民の日、会場となった職業訓練校に集まる人々の様子)

>ウガンダ難民情報

ウガンダは世界でトルコ・パキスタンに次いで多くの難民を受け入れています。(*1)

(2018年4月現在146万人 *2)。人口4150万人(*3)の3%が難民と言えます。ナキバレは1960年に誕生したウガンダ最古の難民居住地です。ウガンダ南西部に位置しており、居住難民はホストコミュニティを合わせて11万人に上り(*4)、難民の出身国は8か国を超え、コンゴ民主共和国やソマリア、ブルンジ、ルワンダからの人々が多いです。(*5)活動中、お昼ご飯を難民と共にすると、彼らは口々に「市民と政府との対立が終わるまで国に帰れない」、「国にいれば強盗に襲われる」と言います。ウガンダの周辺諸国では今もなお紛争が続いていることや、ウガンダにはそうした国から逃れた人を受け入れる寛容な国なのだと思い知らされます。

(写真はブルンジ人の若者による演技、踊りの合間に、支援機関の名前を挙げて感謝の言葉を口にした)

>難民の笑顔

今月6月20日は世界難民の日です。ここナキバレでも国連を始め支援機関やウガンダ首相府、警察が集まり難民支援へ感謝を示す式辞や演出が行われました。写真の男性は学校外で子どもたちへの語学教室を運営する組織の代表です。難民となった子どもたちの多くは母語が英語でない場合があります。例えばコンゴでは母語はスワヒリ語、ルワンダではキニアルワンダ語が話されています。子どもたちがウガンダに帰化した際に、無事に社会で生計を営む為には英語の習得が必要になります。その為に、母語だけでなく英語を学んでもらうことがこのセンターの狙いのようです。ランニング後の彼を撮りましたが、写真のような笑顔で、私に積極的に声をかけてくれる気さくな若者です。彼はコンゴ難民です。ウガンダにきた目的はやむを得ないものと思われます。(1951年制定の難民条約によると難民とは人種や宗教により国内にいると迫害の恐れにある人を言う。自発的移動者ではない。)難民の全てが彼のような人柄ではないと思いますが、いつも笑顔を振りまいてくれる彼を尊敬しています。

>難民のいる世界

日本で生まれ育った私にとってナキバレ難民居住地は非日常空間です。居住地内の外国人も僅かで、国連職員くらいです。アジア人に至っては県内でも見たことがありません(注:首都カンパラや観光地では多くの外国人、アジア人が見られますよ)。彼らにとっても私は異邦人みたいな存在ですが、むしろ日本人の強みをアピールするチャンスかも知れません。今後も日本人が難民居住地で仕事・プライベートで試行錯誤する日々を紹介します。

*1 UNHCR Global report 2017

*2 Uganda Refugee Response Portal 2018

*3 World bank 2016

*4 UNHCR Uganda Response Monitoring Settlement Fact Sheet: Nakivale 2018 January

*5 UNHCR international statistics March 2013, not published

ンサミジ社会開発訓練校UNHCRプロジェクト FBページ:

https://www.facebook.com/nsamiziproject/

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