JICA海外協力隊の世界日記

コスタリカ便り

新鮮な魚を求めて

今回は昨年リベリアに着任したあとに出会った新鮮な魚の話です。

私は魚介類が大好物で、リベリアに住み始めてから何日間か新鮮な魚を求めて、市内のスーパーマーケットや魚屋を探し回りました。ところが、新鮮な魚はどこにも置いていないんですね。あってもフィレ(皮を引いた白身の魚)か、淡水の池で養殖されたティラピアばかりです。しかも魚の目が白く濁っています。エビとかイカになると、袋に入った冷凍品しかありません。

そもそも、コスタリカは日本と違い魚介類を食べる文化、習慣があまりありません。日本人が1年間に消費する魚介類は1人当たり50kgを超えますが、この国では僅か7㎏しかありません。しかも魚の消費量で一番多いのはツナ缶と言われています。そのためか太平洋に面したグアナカステ県には、製氷所のある漁港が1カ所しかなく、水産品の流通や加工技術もあまり進んでいないように思われます。

とは言え、魚を生で食べる習慣が全くないことはありません。それは、白身の魚やエビなどを酢で〆たセビチェという料理で、これはビールの肴に最適です。また、生マグロや輸入物のサーモンを使ったコスタリカ独特の巻きもの、“Sushi” もあります。でも、一般的には、唐揚げにした魚、エビ入りチャーハン、魚介スープなどの方がポピュラーです。

さて、本題に戻りますが、リベリア市内で新鮮な魚を手に入らないことが判ってから、週末に氷を入れた小さなクーラーボックスを持って近隣の海岸を目指すようになりました。よく行っているのは、リベリアからバスで1時間ほどのところにあるプラヤス・デル・ココ(以下、ココ)です。

冒頭の写真は乾季のココの風景です。岬や島の樹々が完全に乾燥しています。日本のような防波堤や桟橋などがなく、全く自然のままです。また、カモメやウミネコの代わりに大きなペリカンが飛んでいます。広い砂浜の中央から右側には大型のプレジャーボートやヨットが停泊し、左側には、漁船である小さなボートが停泊しています。

漁は夜から早朝にかけてからが多いので、日中は漁師達が浜辺に近い木陰にたむろしています。そして、そこで魚屋の場所を教えてもらい、やっと目的の場所を見つけることが出来ました。

そこは小さな平屋建ての民家ですが、庭先に処理場と保冷庫があります。早朝、漁師から買い取ったばかりのフエダイやブダイのワタを取り、ステンレス製の包丁でフィレに加工しています。また、生のマダコやマグロの切り身を冷凍したものもあります。私はこの新鮮で素晴らしい食材との出会いにとても感激しました。

これまでにココに行った回数は、出張を含めると20回にもなります。     ココの街は土産物店と欧米人で賑わい、海は思っていたほど透明ではないけれど 趣味の釣りを兼ねながら魚介類の仕入れが出来るのが魅力です。

さて、仕入れた当日は、自宅のアパートに着いたら直ぐにエラとウロコをとり三枚におろします。フエダイは皮つきのまま湯引きをした刺身や、軽く塩を振った昆布〆が美味しいです。また、塩焼き、兜煮、潮汁を作ります。そして、リベリア在住の青年海外協力隊員や、他の地域から遊びにきた隊員達に振る舞っています。

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