JICA海外協力隊の世界日記

コスタリカ便り

マタパロの樹

前回は通勤途上にある白い教会や日の丸を掲げているホテルの様子を紹介しましたが、今回はその少し先にある職場の様子を紹介します。写真は農牧省チョロテガ地方支局の建物です。フェンスで囲われた農牧省の敷地内には、地方支局の他に、植物防疫局、動物衛生局、農業普及局の各事務所と公務員宿舎が幾つかあります。みな、トタン屋根の平屋建てで質素な建物です。                      

また、敷地内にはマンゴーやカシューナッツなどの多くの樹々が木陰を作ってくれています。マンゴーはまだ青々としていますが、これからが食べ頃になります。

事務所の前にひと際大きな古木があります。よく見ると、外側のつるりとした白っぽい木が土台になっていた元の太い木を枯らせてしまっていることが判ります。この木をスペイン語ではマタパロ(mata-palo)といいますが、マタは殺す、パロは木とか棒を意味しています。つまり、”締め殺しの木”なのです。 

日本語ではガジュマルの木といって、カンボジアのアンコールトムに近い石造りの寺院がこの木によって破壊されようとしていることで有名ですが、アンジェリーナ・ジョエリー主演の「トウーム・レイダー」という映画のロケ地にもなったのでご記憶の方もおられるかと思います。

さて、この農牧省の事務所には2009年から2014年にかけて7名のシニアボランティアが、農作物の栽培指導や生活改善指導などの活動していました。またJICAの研修生として日本に行ったことのある職員が多いので、みんな親日的でいろいろ気にかけてくれています。当時のシニアボランティアの1人は昼食後、いつもこの大きなマタパロの樹の下で瞑想していたそうです。昨年5月からは、支局初の青年海外協力隊員が一村一品活動していますが、中高年者の多い職場にあって唯一の20代女性であり職場の人気者です。このコスタリカ便りの顔写真も彼女が撮ってくれました。

これは農牧省の正面入り口前の写真ですが、左側の大きな立看板がチョロテ地方卸売市場の案内板です。そして、右側に見える小さい平屋建ての建物が卸売市場の連絡事務所です。

昨年末まで倉庫として使われていましたが、卸売市場の建設開始に合わせて事務所用に改装され、先週3月9日には農牧省の幹部とPIMAの局長が集まり簡単な開所式を行いました。あとは、エアコンや什器類の搬入を待つのみです。私はこれまでずっと支局内に机と椅子を借りて仕事をしてきましたが、近いうちにこちらの事務所に引越しする予定です。

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