JICA海外協力隊の世界日記

ザンベジ川へは徒歩3分

緑を守る

今回は私の任地であるチルンドで行なっている「森林保護活動」についてお伝えします。ザンベジ川や小川に近い村の住民はトウモロコシなどの栽培が出来ますが、山側に住む村の住民は主に木炭を製造し販売することで生計を立てています。ザンビア政府は許可なく木炭を製造、販売することを違法としていますが、食事の準備などに木炭の需要があることから、人々の収入源として木炭の製造・販売は事実上、黙認状態となっています。チルンドは国境に面しており国内外へのトラック輸送のメインルートにあたるため、ジンバブエ、南アフリカなどで厳しい規制があります。そのため、木炭の価格が比較的高い地域から来た運転手は、袋いっぱいに入った木炭を5袋、10袋と山のように購入し自国に持ち帰ります。国土省森林局は、将来ザンビアの森林がなくなることを危惧し、木炭を大量製造している所へ行き指導を行ない、大量購入しているトラックを見つけた場合は取り締まりを行うなどして少しでも森林減少を防ぐ仕事をしています。

森林伐採を防止し住民に生計手段を提供するため、たまたま街で出会った森林局のオフィサーに同行し、「トウモロコシの芯で作る炭」の周知活動をさせて頂いています。山岳地帯では学校で英語を学ぶ前に卒業、退学、もしくは学校に通っていなかった人々が多く、オフィサーに英語と現地語の通訳をして頂いており大変助かっています。村の人々も、年々減少する木々に将来の不安があるのは確かで仕事を中断し老若男女が真剣に耳を傾けていました。

今年のチルンドは20年振りの干ばつで全くトウモロコシが育たず、先輩隊員が作成してくれた炭の製造方法に関する映像を一緒に観ることしか出来ませんでしたが、「覚えたいのでもう1回再生して欲しい」「来年は作ってみたい」という声が多く聞かれ、オフィサーからも「来年は一緒に作る」と言って頂きとても嬉しかったです。この映像を一緒に見ていた子供達が大人になる頃にも、変わることなく緑が多いザンビアであることを願いながら引き続き活動していきます。

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