JICA海外協力隊の世界日記

まるタイ日記

無鉄砲 坊っちゃん

ウィチェンマトゥ学校で日本語コンテスト上南部予選を開催し、近隣4県6校から40人以上の生徒たちが集まりました。
実は、政府の「不正防止キャンペーン」の影響で、教育省から日本語センター校に予算が下りるかどうか、今年はギリギリまで全く分かっていませんでした。生徒が日頃の勉強の成果を発揮できる貴重な場であるコンテストや文化体験イベントの実施も危ぶまれていましたが、今月上旬、どうにか予算が確保でき、コンテスト開催にこぎつけました。しかし、大幅な予算減額となったため、例年主催者側が提供している昼食は、今年は参加する生徒や先生に持参してもらいました。

コンテストでは「朗読部門」の審査員を担当しました。1回戦では、「おもちゃのめがね」と「お手紙」の2つのお話のうち、生徒が自分の得意なほうを事前に練習してきて、本番で発表することになっています。「朗読部門」に出場するウィチェンマトゥ学校の高校2年生Kくん(写真左)も、2つのうち、「お手紙」のほうが読みやすいとのことだったので、日本語らしいイントネーションで感情豊かに朗読できるよう、空きコマや放課後、指導にあたってきました。そして、いよいよコンテスト当日。これまでの練習の成果が出れば、3位以内には入賞できると期待していたのですが、会場に入ってきたKくんは、なぜか、練習してきたほうではない「おもちゃのめがね」の原稿を手にとり、読みはじめました。案の定、読み慣れていない原稿に苦戦し、結果は最下位でした。
1回戦敗退後、どうして急に原稿を変えたのか、Kくんに確認したところ、本番前に「おもちゃのめがね」を読んでみたら、「お手紙」よりもスラスラ読めた感じがしたから、と言っていました。いやはや、これまで毎日一生懸命練習してきたあの日々は一体何だったのでしょうか…。無謀な挑戦で墓穴を掘ったKくんも芳しい結果が出せず、ちょっと落ち込んでいる様子でした。

辞書をいかに早く引けるか競う「辞書引き部門」では、ウィチェンマトゥ学校も好成績を収めました。「辞書引き:漢字部門」では、高校3年生のIさん(写真中央)が優勝しました。Iさんは中国人で、ご両親の仕事の都合で数年前にトランへやってきました。タイ語(第2外国語)で、日本語(第3外国語)を学んでいるので、苦労も多いと思いますが、この種目では中国人であることが彼女の強みになっています。去年は全国大会にも進んだ実力派なので、今年も健闘を祈ります。
スラーターニー県の病院に派遣中の理学療法士M隊員(写真左)とパッタルン県の町役場に派遣中のY隊員(写真右)も、コンテスト審査員としてトランへ来てくれました。南部は日本人の日本語教師が少ないので、こうして他職種同士でも助け合いながら活動しています。
運営に協力してくれたみなさん、一生懸命がんばった生徒のみんな、おつかれさまでした。8月25日の日本語コンテスト南部本選で、また会いましょう。

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