JICA海外協力隊の世界日記

コンポントムびじょん

#7 新しい視点から・・・昆虫ツーリズム?〜天然コオロギ編3〜

コンポントムからこんにちは!

早速、前回のコオロギ農家取材についての続きを・・・。

農家さんからヒアリングした、興味深いお話がこちら。



↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


現在は乾季なので、一晩で獲れるコオロギの量は約1キロ。
雨季だと草が沢山生えるのでその分コオロギも多くなり、
なんと4~5キロが獲れるそう!

1キロのコオロギ・・・一体何匹?
「200~300匹くらいかな?」とのことでした。


こちらの農家さんがコオロギの収穫を始めたのは2年前。
ここでは、もち米・マンゴー・きゅうり・豆なども栽培しているそう。


〜ここでまたコオロギ博士の豆知識〜
このようにコオロギキャッチ(勝手に命名しました)を農作物畑で同時に行うことは、
害虫駆除にもなりまさにwin-win!

コオロギ農家さん1日の流れは・・・


朝5:00頃 仕掛けにかかったコオロギを取る。

もちろん、蛾やオケラなど他の虫も入ってしまうのでこの時に選別→洗う。
(カンボジアではオケラも食べます)

仕掛けに入った蛾などその他の昆虫は、鶏のエサに。
無駄がありません!

オケラとコオロギの違いが分からないでいたら、
仕掛けプールから持って来てくれました。



右がコオロギ、左がおけらですね。
(間違っていたらコッソリ教えてください笑)

子供でも手馴れたコオロギの掴み方。

私も真似して掴んでみました。

6:00-6:30頃 バイヤーが来て購入。
特に手は加えず、素のまま袋に詰めての引き渡しだそう。


バイヤーは、州都ストゥンセン市内から毎日1-2人は来るとのこと。


ここでは、コオロギ1キロあたりの単価は2.5ドル。


仮に、雨季に1晩で5キロのコオロギが収穫出来ると過程した際の
1ヶ月のコオロギ収入は・・・


2.5ドル×5キロ×30日=$375!


ちなみに電気代は、家庭使用分も含んで1ヶ月$40-とのこと。


仕掛けのメンテナンスの頻度は1ヶ月〜1ヶ月半。
水たまりの水は、3〜5日での交換。


害虫駆除にもなり、結構な収入源になります。


こちらでは農耕用に牛も飼育しており、
牛の糞は畑の飼料となるのは勿論、コオロギが食べる。


素晴らしい食物連鎖。


1983〜1984年、コンポントム全体では1000キロ以上(!)ものコオロギが収穫できたそうな。
当時はベトナムやタイなどにも輸出していたそうですが、
現在は森林伐採などにより個体数が減少。
カンボジア国内のみの消費に留まっているよう。


ここで、素朴なギモン。
「養殖と天然の違いって何??」
聞いて見ました。


「養殖モノは、柔らかい。天然物は、肉が固く締まっている。
 鶏肉と一緒だよ!天然モノの方が味がいい。
 養殖モノって健康に被害を及ぼすこともあるでしょう?天然がいいんだよ。」
と、オーナーの年配の男性。

自然の摂理(?)はコオロギ界でも共通。


私の故郷、秋田県の比内地鶏を彷彿させる発言でした。
(父親の実家が比内地鶏の養鶏場なんです笑)


天然モノ(放し飼い)の方が動き回れるので運動量も自然と多くなりますしね。
栄養素も違って来るんだろうな・・・
興味深い。


そして、こちらで栽培するお米は農薬は使用していないとのこと。


〜コオロギ博士の豆知識〜
農薬が付着した草などをコオロギが食べると、コオロギが産卵する卵の数が減少。
農薬の使用がコオロギの個体数減少の一因に。


・・・なるほど!!!
文明の功罪がここにも。

なんて、月明かりの下、草むらにゴザを引きながら
青々と光る蛍光灯を横目に話しているとなんとホタルまで登場。

最高なコオロギキャッチ取材でした。

コオロギキャッチの景観を楽しみながら、

コオロギについて、コンポントムの今昔について学ぶ。

そこから生まれる一度きりの農家さんとの交流。

こんな楽しみ方を新しい観光資源として提案できないか・・・?

と現在構想を練っています。

現段階で知り合いを3組ほど案内したのですが

なかなか好感触。

停電時の問題や(コンポントムは停電が多い)言語の問題など

課題は山積ですが、今あるもので出来る方法を

提案して行く考えです。



そして好奇心は膨らみ、

後日、カウンターパートの伝を辿り

コオロギ養殖農家へ。

次回以降、養殖編について紹介していきたいと思っております。

では、最後までお読み頂きありがとうございました!

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