JICA海外協力隊の世界日記

太陽と海と雨の島

Chiefの誕生日

 夕方の4時を過ぎると、少しずつ周りの人たちが仕事を終え帰り始めます。そんな時、仲の良い同僚の1人が私のところに来て、「今日はChiefの誕生日パーティーがあるから、一緒に行こう!」と誘ってくれました。

 私の所属先は、ポンペイ州教育局の Department of Curriculum and Instruction という部局で、主に教科指導に関係する職員が所属しています。この部局の主任が自宅で誕生パーティーを主催するということで、これは行かない理由は見当たらないので、家族で参加させていただきました。

 ポンペイのパーティーで欠かせないものとしてサカオがあります。大洋州の他の地域だとカヴァとも呼ばれているようです。コショウ科の木の根を石で叩き潰して、細かくなったところで水を混ぜ、これをハイビスカスの樹皮で包み絞ります。作り方はとてもシンプルですが、上手に絞るためにはちょっとした技術が必要で、私も挑戦させてもらったことがありますがとても難しかったです。アルコールは気分を高揚させる作用がありますが、このサカオには鎮静作用があり、飲めば飲むほど人々は静かになり無口になります。ポンペイの人々はこのサカオが大好きで、様々な行事で欠かせないものであり、教育関係のイベントでも必ずふるまわれます。ガブガブ飲むものではなく、一つのヤシの実の殻に注いだものをみんなで舐めるように回し飲みします。味は特にありませんが、土の香りがあり、飲んだ後は口の中が少し痺れています。

 ポンペイの人々の時間の使い方はとても贅沢だと感じるようになりました。パーティが何時に始まるかも決まっておらず、友人がみんな集まったら始めるこのスタイルに少しずつ馴染んできました。みんなでおしゃべりしながらゆっくりと食事を楽しみ、眠くなった人から帰ります。常に時計を見ながら行動していた日本での生活では考えられない時間の使い方をしています。日本のように秒単位で行動を判断しなければならない仕事ももちろん素晴らしいのですが、ポンペイの人々の時間にとらわれない生活もまた素敵だなあ感じています。

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