2017/09/28 Thu
人
ティモールにも三種の神器。
みなさん、三種の神器というのは知っていますでしょうか。
もともとは歴代の天皇に伝わる3つの宝物のことですが、それをなぞらえて、1950年代の日本においては新時代の生活必需品として喧伝された電化製品のことを「三種の神器」と呼びました。
具体的にはテレビ、冷蔵庫、そして洗濯機です。
60年以上前の日本、戦後の復興で経済が急速に発展する中で、この3つの電化製品が豊かさの象徴として語られていました。
そして、ここ東ティモールでも、ようやく三種の神器がそろう日を目の当たりにしました。
私の家の大家さん(ジョン・ソアレスさん、35歳、私と同い年です)のうち、つい先日、待望の洗濯機が到来したのです。
もうすでに大家さんのうちにはテレビ、そして冷蔵庫はありました。
東ティモールではかなりテレビは普及しています。日本ではもう見なくなったブラウン管タイプが多いですが、テレビでサッカーの試合をみたり、電波が飛んでくるインドネシアのバラエティ番組やドラマを見るのが、多くの家の楽しみになっています。
そして冷蔵庫もかなり普及しているようです。肉や野菜を保存したりするのにかかせません(しかし、冷凍庫のスペースがない小さいタイプが多いようですが)。
ただ洗濯はいまだ手洗いというところが多くあります。
私の家の大家さんやご近所の家庭では、洗濯といえば大きな桶に水をためて、洗濯板でジャブジャブと手洗いをしています。
私の家の大家さんのところも、週末ともなると、家族総出で洗濯です。たまった洗濯ものを午前中のうちに洗って、太陽がサンサンと照り付けるお昼には、洗濯物を干せるようにするためです。
「わたる!ようやく洗濯機を買ったぜ!!」
ということで、大家さんは大喜びです。
洗濯ものは重労働、男手の大家さんも積極的に洗濯にはげんでいました(そうしないと終わらないんです)。
洗濯機は1台200ドル。公務員の月給とだいたい同じくらいです。
でも、これで日ごろの重労働から解放されて、かなり生活が良くなるのではないでしょうか。
電化製品の三種の神器がコンプリートです。
ようやくティモールの1つの家庭でも60年前の日本と同じように生活できるようになったといえるでしょう。
もちろん大家さんのところは、自分が働いて、奥さんもパートに出て、そして僕からの家賃もとって、ティモールの中では豊かな方の家庭です(扶養家族がたくさんいますけど)。
まだまだティモールの家庭の多くは洗濯物は手洗いの日々が続くでしょう。
いつかティモールの家庭の多くが三種の神器を手に入れられるようになってほしいものです。
大家さん一家(本当はもっといるんですが)も大喜びです。
SHARE