JICA海外協力隊の世界日記

80億分の1の世界

No.8『出会い』

「この子にはどんな世界が見えているのだろう…?」

そんな疑問から始まったヨルダンでの生活。

たくさんの人たちに出会いました。

赤ちゃんからお年寄り、さまざまな国から来た人たち、たくさん話した人、一瞬の出会いだった人、名前も知らないけど毎日挨拶する人たち…

出会った人たちみんなが、気づきと学びを与えてくれました。

まだまだ気付けていないことはたくさんあって答えは出ていないけど、今感じている私なりの気づきを書きたいと思います。

「この子にはどんな世界が見えているのだろう…」

みんなが見ている景色は同じだけど、それをどう感じてどう解釈するかが違う。

そんなことを考えています。

初めての海外、2年間の生活を通して、自分がどう感じてどう解釈するかの壁に苦しんだ日々が多かったです。

私の身の回りで起こっている日常はすぐに変わるものではないけど、自分の考え方次第で捉え方がガラッと変わると感じることがありました。

きっと多くの隊員が嫌な思いをしたであろう、外を歩いている時の「外国人である私たちへの声かけ」。

人それぞれだけど、多くの人は嫌がらせをしようと思って声をかけていないなと思いました。

どんな人も敵意を向けられたら嫌な気持ちになるだろうし、笑顔を向けられたら安心すると思っています。

時と場合によるけど、声をかけてもらった時はできるだけ笑顔で返事をしていました。

そしたら、少し話したら満足したのか、お互いに気持ちよく「じゃあね!」と終わることが多かったです。

声をかけてくれた人と出会った時、「バカにしてるな」と解釈したらそこで無視して終わり。

でも、「私に興味を持ってくれた」と思えば、「こんにちは、元気?」と返事をして会話が生まれる。

そんな経験を積み重ねたことで、私の中で感じ方が変わり見える景色が変わってきました。

こんなふうに、目の前で起きている状況に対して生まれた感情とどう向き合うか…

日本では経験できない状況に遭遇するたびに考えてきました。

そしてその感じ方や解釈は一人一人違う。

完璧に相手を理解することはできない。

だからこそ「どんな世界を見ているのだろう」という疑問を持ち続けることが大切だと考えるようになりました。

言葉が通じないヨルダンに来て、「私はアラビア語を話しているつもりなのに、相手は理解できない」「私も相手の言っていることがわからない」反対に「言葉はないのに通じ合っている感覚がある」など…

辛かったことも嬉しかったことも経験することができました。

「あの子があのとき言葉で表現できなかったのは、こんな気持ちを抱いていたからかな?」

「あの子が日々あんなに疲れていたのは、外からこんなに苦手な刺激を受けていたら、そりゃそうなるよなぁ…私もすごく疲れてるもん笑」

など、一つ一つのヨルダンでの出来事が、今まで出会った人たちからもらった疑問と結びつく瞬間がありました。

そんな2年間を振り返っている今、苦しかったよりも出会った人たちからもらった優しさを感じています。

バスのお金を払ってくれた全然知らない人

車がたくさんの道を渡ろうとしている時に「ついておいで」と助けてくれる人

顔を覚えてくれて話しかけてくれる人たち

私を気にかけてくれる友達

パワフルで優しい、いつも協力してくれた配属先の先生たち

私を見つけたら「まきーーー!」と喜んでくれる子どもたち

いつも優しく元気で、熱い思いをもっている隊員のみんな

どんな時も見守って応援してくれるJICAの職員さんたち

本当にたくさんの出会いに恵まれました。

私と出会ってくれたみなさん、ありがとうございました。

この世界日記を読んでくれたみなさんも、ありがとうございました。

これからもヨルダンで得ることができた経験を材料に、視野を広げ、どこかで誰かの役に立てることをしていきたいです。

みんなの見ている世界が、幸せでありますように (ت)

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