2024/03/11 Mon
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ラ・コルメナeps.3【希望のはじまり】高学年と越中おわら節
ラ・コルメナ日本語学校での2日目。
木曜日は、高学年の登校日です。昨日の低学年と同様、午前中に地元の学校でスペイン語での授業を終え、昼食後に登校してきます。
職員室で先生方と打ち合わせ会をしている間にも、きちんと日本語で挨拶をする声が聞こえてきます。
私の自己紹介を含む「お昼の会」を終え、いよいよ今回の出張で一番重要なミッションを果たす時がやってきました。
目的とする任務、それは私の故郷富山県の八尾町に伝わる伝統芸能「越中おわら節」の踊りを子どもたちに指導することです。
しかも、木・金の2日間、45分の授業6コマという限られた時間の中で完了させなければいけません。
依頼されてからの日々、おわら節の歴史や変遷、地元八尾の各町での踊りかたや衣装の違いや特徴を調べたり、同時に自身の踊りの稽古も続けてきました。
今回の活動後、私がいなくても視聴しながら練習できるように、踊っている後ろ姿を見ることが出来る動画や、学年に応じた資料の準備をしてきました。
念には念を入れたつもりでも、不安が残ります。
しかし、校長先生は、そんな不安を吹き飛ばすかのような余裕の笑顔で「最初に高学年を指導をして、踊りを覚えてもらいましょう。そうすれば、必ず低学年を上手に引っ張っていってくれますよ。それから、金曜日に登校する中学生たちは驚くほど頼りになります。リーダーシップを発揮して先生の力になってくれるはずです。本校は、”上級生が下級生を導く”ことをとても大切にしているのです。」とおっしゃるのです。
子どもたちへの絶大な信頼とリスペクト、そしてこれまで自分たちが実践してきた指導への揺るぎない自信に、勇気と大きな希望をいただきました。校長先生と子どもたちを信じて、私のできる精一杯のことをやるしかありません。
今日は1限から3限まで全て「おわら節」関連の授業です。
先ずは教室で富山県や八尾町について学びます。
M先生が自分の教室から運んできてくださった日本地図が大活躍します。富山県の位置を確認し、県や町、そして「おわら節」の歴史や踊りの移り変わり、情緒溢れる町流しの様子や使用される胡弓などの楽器について、資料や画像を使って説明します。
みんな生き生きとした表情で、耳を傾けたり、積極的に発言したり、活発に前に出てきたり、、、想像以上に盛り上がりながら、楽しく授業が進んでいきます。
そして、踊りの実技に入っていきます。
立稽古の前に、慣れるまで少し難しい手の動きだけを教室で何度もやってみます。この踊りは腕を上下する動きに合わせて、左右の手のひらを違う向きに、ひっくり返さなくてはならないのです。これを繰り返し練習します。
みんなだいぶ上手になってきました。
廊下へ出て、手の振りに足の動きを付けて練習をします。いよいよ本格的な立稽古の始まりです。
Y子先生が、子どもたちの様子を見守りながら、ちょうどいいタイミングで、やさしく水分補給や休憩の声をかけてくださいます。
そのたびに、廊下から中庭の小道へ、次は草地の広場へ、それからまた廊下に戻って、、、、と、
場所を変えたり、輪になったり、列を作ったりと、子どもたちがあきないように工夫しながら、何度も繰り返し練習しました。
その結果、ちゃんと時間内に、手足の動きや順序といった一連の踊りの動作を覚えてくれました。
さすが、高学年さん! ラ・コルメナの希望です。
明日は全校生徒登校日。最後の「おわら踊り」練習日です。
高学年のみなさん、今日身につけたことを、しっかり低学年さんたちに教えてあげてくださいね。頼りにしていますよ。
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