JICA海外協力隊の世界日記

南太平洋の陽気な島フィジーよりBULA!

タタウ

いよいよフィジーでの活動が終わります。

このブログでも書いたことがありますが、フィジーではセブセブという伝統儀式があります。村や組織などを初めて訪れるときにヤンゴナという胡椒科の根を手土産に持参し、カバと呼ばれる飲み物を作って飲み交わすことで、そのコミュニティへの出入りが許されます。

村や組織を訪問するときの儀式があれば去るときの儀式もあります。

それがタタウと呼ばれる儀式です。

タタウもセブセブと同じようにヤンゴナを持参し、カバを飲み交わします。

この日は、大変お世話になった同僚一族の皆さんとのタタウでした。

この一族は全員で42名。いつ遊びに行っても大勢で家族のように温かく迎えてくれました。小さな子どもたちが遠くから私の名前を大きな声で叫びながら全力で駆け寄ってくる姿がとても可愛くて、いつも元気をもらっていました。

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日曜日の朝、一緒に教会へ行き、ランチを食べ、のんびり寝っ転がっておしゃべりを楽しみ、時々寝落ちして起きたらティータイム。

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フィジーの人たちはどこででもすぐに横になってゴロゴロするのですが、親戚一同で集まっていてもみんなでゴロゴロ。子どものころ、私もたくさんの親戚が集まる環境にいましたが、親戚一同でゴロゴロ寝っ転がるということはなかったので、フィジーに来たばかりのころはとても新鮮でした。でも、普段から親戚一同でみんなの子どもたちを育て、みんなで助け合って生活しているので、核家族単位での垣根がなく、みんなで一緒にいることが自然なことなんだなということを知りました。そして2年が経つこのごろ、その大勢の中で一緒になって寝っ転がっていることが居心地よくなっている自分がいます。

日が暮れるころ、タタウのカバセッションが始まりました。

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カバという飲み物は鎮静作用があると言われていて、飲み進めていくにつれてみんな無口になっていきます。それでも何時に終わるかもわからないエンドレスな飲み会です。

このカバの味には2年経っても馴染めませんが、特別なことをするわけでもなく、でも家族親戚でただただのんびりと過ごす、という贅沢を教わりました。

タタウ自体は、ここを離れます、おせわになりました、という挨拶でもあると同時にまたいつでも戻っておいで、という意味合いがあるそうです。

またいつか、ここの皆さんと日曜日のお昼からゴロゴロしながらおしゃべりを楽しむ日が訪れたらいいなと思いながら村を後にしました。

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