2016/01/30 Sat
活動
みんなあのね、「13cm」
シテニャフ幼稚園の子どもたちは、
相変わらず、先生や友だちと戦いを繰り広げている。
「静かに~!」という先生の声と、
子どもたちの泣き声を聞かない日はない。
それでも、笑い声の響く園庭で過ごす休み時間は、
「平和だなぁ」なんて安らいでしまう。
さて、子どもたちと新たな制作活動をした。
まずは、白い紙に手形を取り、
手形の外側に好きな色のクレヨンで色を付けていく。
そして、塗り終わったら、手形にしっかりとボンドを塗る。
それをもって園庭に出て、
ボンドを塗ったところに砂をまぶしたら完成だ。
子どもたち一人ひとりの手形を取りながら、
小さな手のひらだなぁとしみじみ思った。
手形に定規を当ててみると、
手のひらは、中指のてっぺんから手首まで
平均13cmほど。
1年は365日。
4歳児の子どもたちは、365×4=1460
うまれて約1500日か。ということは、36,000時間。
なんだか、そんな計算をするだけで
子どもたちがさらに愛おしくなってしまう。
私は、生後何日目だ?
子どもたちの好奇心はすごい。
「何するの?」とキラキラ輝く目で見つめられると、
よし、頑張ろうって思える。
ボンドを塗った部分に砂を一生懸命かけている子どもに、
「どうなるかな?」って声をかけたら、
「くっつくよ、ボンドだよ、ボンドぉー!」って、
目を輝かせて答える子ども。
「1、2、3」の掛け声で、いっしょに紙を持ち上げる。
ボンドを塗った部分に砂が付き、砂の手形が浮かび上がる。
タタアミ(年中クラス担任)の拍手で場がさらに盛り上がる。
ちなみに、タタアミの口癖は、「盛り上げるために拍手~!」
みんなで盛り上げて、楽しい雰囲気の中で
活動を進められることは、とても素敵なことだと思う。
うれしい気持ちを誰かと共有できたら、
うれしい気持ちが大きくなることを
子どもたちが感じていたらうれしいな。
それでも、生後1500日の子どもたちなのだ。
「楽しく盛り上がる」から「ふざける」に変わり、
タタアミの「静かに~!」攻撃開始。
戦いは、終わらない。
素敵な作品ができあがった。
幼稚園での活動が始まったのは10月のこと。
当初は、すべてを任され、授業準備も、材料の調達も、
「ボランティアにすべてお任せ」であった。
3か月ちょっと過ぎて、小さな変化が起き始めている。
タタアミと、
「順番はこうしたほうが子どもにわかりやすい」とか
「説明は、ここで一度切ったほうがいい」とか
普段の会話の中で意見交換をすることが増えたり、
子どもたちに作業の説明をする時の言葉を教えてくれたり、
私が子どもたちに説明した後、付け加えてくれたり、
材料となりそうな段ボールや布、ペットボトルなどを
幼稚園に持ってきてくれたり。
そして、
「楽器を作ってみたい」
「ヤボイのほかの形を作ろう」
と、提案してくることがあった。
一番うれしかったことは、
タタアミは、「私のクラス」と言っていたのが、
「私たちのクラス」と言うようになったこと。
のんびりと、ゆっくり少しずつ。
手を取り合いながら、
セネガルの良さと日本の良さを合わせながら、
子どもたちのために、活動を続けたい。
セネガルの広い空のように、
広い視野で、これからも。
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