JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「13cm」

シテニャフ幼稚園の子どもたちは、

相変わらず、先生や友だちと戦いを繰り広げている。

「静かに~!」という先生の声と、

子どもたちの泣き声を聞かない日はない。

それでも、笑い声の響く園庭で過ごす休み時間は、

「平和だなぁ」なんて安らいでしまう。

さて、子どもたちと新たな制作活動をした。

まずは、白い紙に手形を取り、

手形の外側に好きな色のクレヨンで色を付けていく。

そして、塗り終わったら、手形にしっかりとボンドを塗る。

それをもって園庭に出て、

ボンドを塗ったところに砂をまぶしたら完成だ。

子どもたち一人ひとりの手形を取りながら、

小さな手のひらだなぁとしみじみ思った。

手形に定規を当ててみると、

手のひらは、中指のてっぺんから手首まで

平均13cmほど。

1年は365日。

4歳児の子どもたちは、365×41460
うまれて約1500日か。ということは、36,000時間。

なんだか、そんな計算をするだけで

子どもたちがさらに愛おしくなってしまう。

私は、生後何日目だ?

子どもたちの好奇心はすごい。

「何するの?」とキラキラ輝く目で見つめられると、

よし、頑張ろうって思える。

ボンドを塗った部分に砂を一生懸命かけている子どもに、

「どうなるかな?」って声をかけたら、

「くっつくよ、ボンドだよ、ボンドぉー!」って、

目を輝かせて答える子ども。

「1、2、3」の掛け声で、いっしょに紙を持ち上げる。

ボンドを塗った部分に砂が付き、砂の手形が浮かび上がる。

タタアミ(年中クラス担任)の拍手で場がさらに盛り上がる。

ちなみに、タタアミの口癖は、「盛り上げるために拍手~!」

みんなで盛り上げて、楽しい雰囲気の中で

活動を進められることは、とても素敵なことだと思う。

うれしい気持ちを誰かと共有できたら、

うれしい気持ちが大きくなることを

子どもたちが感じていたらうれしいな。

それでも、生後1500日の子どもたちなのだ。

「楽しく盛り上がる」から「ふざける」に変わり、

タタアミの「静かに~!」攻撃開始。

戦いは、終わらない。

素敵な作品ができあがった。

幼稚園での活動が始まったのは10月のこと。

当初は、すべてを任され、授業準備も、材料の調達も、

「ボランティアにすべてお任せ」であった。

3か月ちょっと過ぎて、小さな変化が起き始めている。

タタアミと、

「順番はこうしたほうが子どもにわかりやすい」とか

「説明は、ここで一度切ったほうがいい」とか

普段の会話の中で意見交換をすることが増えたり、

子どもたちに作業の説明をする時の言葉を教えてくれたり、

私が子どもたちに説明した後、付け加えてくれたり、

材料となりそうな段ボールや布、ペットボトルなどを

幼稚園に持ってきてくれたり。

そして、

「楽器を作ってみたい」

「ヤボイのほかの形を作ろう」

と、提案してくることがあった。

一番うれしかったことは、

タタアミは、「私のクラス」と言っていたのが、

「私たちのクラス」と言うようになったこと。

のんびりと、ゆっくり少しずつ。

手を取り合いながら、

セネガルの良さと日本の良さを合わせながら、

子どもたちのために、活動を続けたい。

セネガルの広い空のように、

広い視野で、これからも。

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