JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「5人の小人がね」

セネガルは、人口の90パーセント以上の人がイスラム教を信仰している。

そんなセネガルにもクリスマスがやってきた。

私の任地であるサンルイは、フランス植民地時代の歴史的建造物が残る街で、

その建造群(街並み)がユネスコ世界遺産にも登録されている。

そのため、決して大きな観光地ではないけれど、

クリスマスから年末年始にかけ、欧米からの観光客が増えている。


活動先の幼稚園の図工の時間に、
「ようこそ!サンルイへ!」というポスターを作った。

子どもたちの手形を5人の小人に見立てた作品制作である。

当初、この小人は雪だるまに見立てる計画であったのだが、

雪だるまを知らない子どもがいたこと、

子どもたちが「これはボクのお母さんで、これがボクで…」というように、

子どもたちの想像力で新たな発想があったことから、

雪だるまは小人になったのだ。

小人たちは、帽子を被ったり、マフラーをしたり、

クリスマスに向けて着飾っているようにも見える。

この製作は3回に分けて行われたが、

毎回毎回、それはもう大騒ぎであった。

手に絵の具を塗っただけで、笑顔で怪獣のように叫びだす子ども、

それを止めようと、鬼の表情で怪獣よりも強い雄叫びのような声で叱る先生。

子どもが「これがボクのお母さんで」と言うと、

「あなたのお母さんこんなに小さくないわ!」と大きな声で笑う先生。

少し落ち着いて、いい雰囲気になって集中してきたなと見守っていると、

トイレに行こうとした子どもが手を洗うバケツにつまずき、バケツを倒してしまう。

そして、先生登場。再び雄叫びだ。

バケツを倒した子どもは撃沈。涙。

なにはともあれ、12月中旬、

無事に?40人の園児の作品が出来上がった。

子どもたちの作品は、

世界遺産に登録されている地区のホテルの受付、観光案内所、お土産屋さんをはじめ、

子どもたちや保護者の生活圏にある商店に掲示を依頼し、現在飾られている。


子どもの作品が街に飾られているだけで、

いつもより足取りが軽くなるのは私だけだろうか。

「あれ、ボクのだー!」という声を想像するだけで、顔がにやけてしまう。

年末年始を、半袖で過ごすことできるサンルイ。

新しい年が始まったという実感はないと思っていたが、

観光客が増え、クリスマスや新年を祝う商品が街に並んでいると、

やはり私の目には5人の小人が5人の雪だるまに見えてきて、

「もう2016年が来たのだな」と思うようになった。

それでは、サンルイで、子どもたちの作品とともに、

皆様のお越しをお待ちしております。

ようこそ!サンルイへ!

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