JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「鶏の卵は残すんだよ」


補助指導員をしていた学童保育の子どもたちから手紙が届いた。

さようならをしてから9か月。季節の流れの速さに驚く。

真剣な、そして、ちょっと悪賢そうな目で

「果たし状」を渡してくるような子どもたち。

懐かしくて、嬉しくて、なんだか元気が出てきた。

セネガルにも、私に元気をくれる子どもたちがいる。

そして、「果たし状」ではないけれど、

Djibi(セネガルでの私の名前)!!☆▽※■△~~~!!!」

と戦いを挑んでくる子どもたちがいる。

任地であるサンルイには、私に元気をくれる家族もいる。

小児科での活動が始まって1週間が経ったころ、

パパ君(仮名)が入院してきた。9歳の少年だ。

パパ君は、おなかの病気で手術することになり、

1ヵ月ほど入院することになった。

そのとき、一緒に切り絵をしたり、

紙ヒコーキを病室の窓から飛ばしたり、

扇子を作ったあとに、扇子を羽に見立ててヒヨコごっこをして

笑い転げたりした。

パパ君が退院した次の日、彼の自宅で

夜ご飯をごちそうになった。

そして、お母さんが

「ここをあなたの家だと思って、いつでも帰ってきなさい。」と、

声をかけてくれた。

それ以来、

Djibi!どこにいるの?夜ご飯よ!」

「いつになったら来るの?」

と、猛烈なラブコールがかかってくるようになり、

今では、本当に家族のようにお世話になっている。

セネガルには、「テランガ」と呼ばれるおもてなしの文化がある。

町を歩けば、「お昼食べていきなよ!」、「お茶飲んでいきなよ!」と、

みんなが声をかけてくれる。

はじめのうちは、パパ君一家も

おもてなしの「テランガ」の精神で私を招待してくれていたと思う。

しかし、今は違う。

子どもたちと一緒にお母さんに怒られることもあるし、

ほうきで掃き掃除してよって真顔で言われるし、

羊や鶏の餌やりの仕方や、餌の買い方も教えてもらった。

鶏の卵は、全部回収してはいけないそうだ。

いくつか残しておかないと、親鳥が卵を産まなくなってしまうらしい。

家族の手伝いをしながら、ミニ知識も詰め込まれている。

突然、ふと思い出したように、

Djibiの作るごはんが食べたい」とお母さんが言うので、

先日、シチューをつくった。

ルーは売っていないので、小麦粉から作ってみた。

「あしたの夜持っていくね」と電話で伝え、

次の日、ドキドキしながらシチューを持って行った。

すると、なんと、お母さんはこの晩の夜ご飯を作らずに待っていた。

夜ご飯は、私の作ったシチューだけである。

もし、口に合わなかったらどうしよう?…

私の心配をよそに、

みんな「おいしい」と言って食べてくれ、無事に完食。

ただ、あきらかにいつもより

妹のシルビ(仮名)の食べるペースが遅かったため、

無理していたのかなぁと思う。

しかし、お母さんから「またDjibiのご飯食べたい」と言われると、

手作りシチュー、あれはあれでよかったのかなと思うようになった。

今度、セネガル料理を教えてもらおうか。


寡黙だけれど、優しさ溢れるお父さん、

ちょっと強引だけど、お父さんに負けない優しさを持つお母さん、

笑いのツボが広くて浅い、パパ君、

お調子者でカメラ大好きパパ君の妹、シルビちゃん。

そして、お父さんの兄妹のおばちゃん。

これから、アイミロー家物語もお伝えしていきたい。

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