2016/08/03 Wed
活動
みんなあのね、「私は口うるさいおじさん」
幼稚園が長期休暇に入っているため、
現在の活動のほとんどがタリベを対象にした活動である。
(タリベを紹介した記事→http://world-diary.jica.go.jp/nishimura/activity/post_25.php)
タリベを対象にした路上でのお絵かき教室、工作教室は、
基本的に不定期開催だが、開催頻度が増えている。
買い物のために市場へ行くとき、
タリベに「今日、工作やろうよ」と
声をかけられることが増えてきたためである。
幼稚園での活動があるときは、
幼稚園での活動やその授業準備が優先されていたし、
空いた時間はタリベ支援センターでの活動か
タリベの生活の基盤となっているダーラでの活動にあてていたため、
路上でのお絵かき教室、工作教室は、
充分に開催することができていなかった。
現在は、時間に余裕がでてきたため、
その分、タリベたちと路上でのお絵かき教室、工作教室を
楽しめるようになった。
広い空の下で子どもたちと絵を描いたり何かを作るのは、
私にとってもとても楽しいひと時で、
いつもあっという間に時が過ぎてしまう。
タリベたちと工作をしていると、
ハサミの持ち方、ボンドの塗り方、ペンを使った色の塗り方など
何をとっても経験不足を感じてしまう。
日本では幼稚園や学校、地区センターなどの地域の施設でも、
もちろん家でも工作など何かを作る機会が多い。
しかし、セネガルではなかなかそのような機会がない。
空き箱など工作に使えるものも普段の生活でなかなか出ない。
野菜や魚、肉もパックなどに入れられずに売られているし、
基本的に包装されていない。
クレヨンなども決して安くはなく、
子どもたちが自由に絵を描ける環境でもない。
色鉛筆は比較的手に入りやすいが、
質は悪く、すぐに折れてしまったり、
濃く塗ったりすることができない。
タリベたちとお絵かきや図工を楽しんでいるとき、
彼らの作業を見ながら、
「それじゃ指切っちゃうよ~!」
「あ~ボンド塗りすぎ~!」
「ペン先が痛むよ~!」
「あぁ、もったいないよ~!」
と、ついつい言葉で伝えてしまう。
いちいちうるさいオジサンになってしまうのだ。
タリベたちは私に声をかけられる度に
手を止めなくてはならない。
「うるさいなぁ」なんて思っているに違いない。
作ること、想像すること、
お絵かきや工作を通してたくさんワクワクしてほしいし、
とにかく自由に楽しんでほしいと思っているのだが、
いつも「ちょっと待った!」とやってしまう。
もちろん安全面の配慮は必要だけれど、
ペン先がつぶれちゃうことも学びになるし、
ボンドを使いすぎたってどうってことないし、
もっとどっしりと構えていたい今日この頃だ。
もっと大らかでいたい。
見守ることは、想像以上に難しい。
私の口癖は子どもたちの口癖でもある。
多くのタリベが私のもとへ出来上がった作品を持ってくるとき、
日本語で「いいじゃん!」と満面の笑みで言いながら見せてくる。
そんな彼らの笑顔を見ると
こちらまで満面の笑みになって「いいじゃん!」と言ってしまう。
彼らの口癖は、「いいじゃん」だけではない。
というより、口癖ではなく、
ただ私の真似をして面白がっているだけなのだが…、
「なんていうかな~」と言いながら頭を触ったり、
電話の音が鳴ると、「もしもし、もしもし」って言ったり、
よく見ているし聞いていると感心してしまう。
私の口癖を真似してくる子どもたちは可愛いのだが、
それまで覚えたのか?!と思ったのは、
「簡単折り紙大百科」である。
これは、私がいつも持ち歩いている本で、
その名のとおり、折り紙の折り方が簡単に折られるよう
丁寧に書かれている。
朝、道でタリベに会ったときに、
タリベ:「おはよう」
私 :「おはよう」
タリベ:「簡単折り紙大百科」
私 :「簡単折り紙大百科」
のような、やり取りが成立してしまうのだから面白い。
「簡単折り紙大百科」は、もはや合言葉のようだ。
雨季に入って、じめじめした嫌な暑さになってきたけれど、
子どもたちと楽しいひと時を過ごしていきたい。
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