みんなあのねのセネガル便り(西村隊員は帰国しました。)

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西村 綾介
神奈川県

タイプ/職種
青年海外協力隊
青少年活動
派遣国
アフリカ
セネガル サンルイ州サンルイ市
一言メッセージ
ボクでなきゃ!キミでなきゃ!たわむことのできるしなやかな軸をもって、子どもたちの笑顔のために力を合わせて頑張ります。

 

みんなあのね、「役」

2017.04.15

活動

日本は新学期が始まって1週間ほどになるだろうか。

ここセネガルでは、6月に年度末を迎える。

私の任期も6月末までなのでちょうどいいのかもしれない。

四字熟語に、三寒四温という言葉があるけれど、

私の住むサンルイは三寒四「暑」と言ったところで、

暑い日が増えてきた。

セネガル国内の大部分は、すでに酷暑のところがほとんどで、

連日40度を軽く超えている。

活動先のシテニャフ幼稚園の屋根はトタン屋根で、

風通しが悪く熱がこもりやすくなっている。

そのため、運動の時間を短くしたり、

水分補給を促したり、休憩したり、

暑さに負けないように工夫しながら先生方と活動を進めている。

とは言っても、子どもたちは暑さなんてへっちゃらな様子で

遊びまわっている。

落ち葉をつけた子どもが落ち葉の妖精で、

他の子どもたちを追いかけるという設定の鬼ごっこ。

これは、集団遊びの経験がほとんどない子どもたちがほとんどで、

鬼が誰なのが視覚的にわかりやすくするために

取り入れた遊びである。

最初は一人だけが落ち葉の妖精で遊んだり、

途中から妖精を増やしてみたり、

最後は、妖精にタッチされた人はみんな妖精になったりして

楽しく遊んでいる。

そう、シテニャフ幼稚園には落ち葉の妖精がいるわけだが、

スーパーマンもたくさんいる。

自由時間になると突如とし出現するスーパーマンたちの正体は、

やはりシテニャフ幼稚園の子どもたちで、

工作の時間につくったお手製のマスクをして、

園庭を走り回っている。

先生が「落ち葉を拾って」と言えば

スーパーマンも「落ち葉を拾って」と言い、

先生が「時間だから教室に入りましょう」と言えば、

スーパーマンも「教室に入りましょう」と言う。

しかし、スーパーマンがたくさんいるときは、

安心、安全、平和な自由時間が過ぎていくと思われそうだが、

そうではない。

スーパーマン同士の戦いが始まり、

マスクが破れてしまって涙を流す子どもや、

先生の言葉の真似をし過ぎて怒られる子どもや、

時間を守れなくなってしまう子どもも出てくる。

ひとつひとつの出来事から子どもたちは学び、

成長していくわけだけれど、

セネガルの先生方にはそういった視点を持っている人は少なく、

ケンカになればマスクを取り上げて終わり、

壊れたらそれでおしまい、といったように、

どうしてそうなったのか、どうすれば避けられたのか、

このようになってしまったとき、どうすればいいのかなど、

子どもたちに考えさせたりいっしょに考えようとする姿勢は

ほとんど見られない。

セネガルと日本の幼稚園の役割は違うのだ。

セネガルでは、「人」を育てるのは、家族であり、社会であり、

イスラム教徒としての価値観、理想の人物像などは、

宗教指導者から教えられるものと考える人も少なくない。

幼稚園の役割が違う、というと、

セネガルの幼稚園は、小学校を見据えた教育の場という役割が強い。

学校の授業は現地の言葉ではなく、公用語のフランス語で行われる。

子どもたちは、家ではそれぞれの民族の言語をつかって会話し、

公用語であるフランス語に触れる機会は少ない。

子どもたちは、小学校に入るとフランス語の勉強をしながら、

フランス語で他の教科を学んでいくのである。

そして、小学校にも進級試験がある。

この進級試験に落ちてしまい、

進学、卒業を諦めてしまう子どもたちもいる。

学校を卒業していないと、職業選択の幅も狭まってしまう。

低学年の授業は、民族語を混ぜて行うクラスや学校もあるが、

フランス語しか使わない先生もいるのだ。

そのような状況にある小学校の教育現場、

幼稚園でフランス語に触れてきた子どもと、

就学前教育を受けずに小学校に通い始める子どもには差ができてしまう。

そして、セネガルで行われている授業の多くが、

理解度の高い子どもたちに合わせて進められているという現実がある。

幼稚園の先生方は、そうした背景もあり、

特にフランス語に力を入れている。

音楽では、音階よりも歌詞の発音が重視されるのもその一つの例だ。

同じ年少クラスにいる子どもでも、

3歳になったばかりの子どもと4歳の誕生日の近い子どもとでは、

発達に大きな差があるのだが、

セネガルでは「個々の発達に合わせた教育」という視点はまだ少ない。

子どもたちが楽しんで学べるようにしよう、

フランス語や算数を学ぶときにも情操育成の要素を取り入れようと考え、

図形を意識させるアクティビティをやってみた。

今までは、黒板に書いた図形を先生がフランス語で発音し、

子どもたちはそれを繰り返し発音して覚えていたのだが、

そこに楽しさを取り入れようと考えた。

図形の言い方を教えた後に、園庭を散歩して図形を探し、

「タイヤは丸いね」「ドアは四角だね」と子どもと話し、

教室に戻ってからは、

三角と四角でお家をつくってみようと、作品つくりをした。

三角と丸は魚になるね、三角と三角はリボンになるね、

など図形遊びに発展できるように考慮した。

学び方はいろいろあって、視点もさまざまあることを、

私自身学びながら、先生方に伝えられることは伝えて行けたらと思う。