JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

拝啓 セネガルの子どもたちへ

みんな、なむな れーん!とろ!とろ!とろ!

(みんな、さみしいよー!とても!とても!とても!)

帰国して6ヶ月が経ちます。

あっという間に夏が終わってもう秋です。

私の生まれ育った国、日本は、

なんて素晴らしい国なのだろうと思います。

そして、私が2年間過ごした国、セネガルも、

なんて素晴らしい国なのだろうと思います。

たくさんの人に、

セネガルどうだった?と聞かれます。

ごはんはおいしかった?

どんな家に住んでいたの?

どんな人たちだった?

ってね。

私はジビっていうセネガルの名前があって、

バという名字はプラール族だよ、と話すと

みんな驚きます。

もし、サンルイで、

ジビの友達の日本人だよ

っていう人と会ったら優しくしてあげてね。

最大限のテランガ(おもてなしの意)をよろしく!

みんなはよく日本人の私を見て中国人?ときいてきたね。

最初は失礼だなぁなんて思ったけど、

私もセネガル人とおなりマリ人の違いはわからないかも。

でも、2年間セネガルにいて、

自分なりに違いがわかるようになってきたよ。

だから、みんなが間違えるのはしょうがないね、

って思います。

セネガルでは、社会の授業でも、

遠く離れた日本と中国をしっかりと勉強する機会は

ほとんどないでしょう。

そんな中国にこの前行ってきました。

中国の首都北京です。

北京のあとに、上海、南京という町へ行きました。

中国では、中国語で話しかけられることがたくさんありました。

中国人でも、

自分たち中国人と日本人の違いがわからなかったりするんですね。

言語や文化は違うのだけれど、

顔は似ているんだなだと実感しました。

❅❅❅❅❅❅❅❅❅

シテニャフ幼稚園のおこちゃまたち。

たくさん遊べて楽しかったね。

きっと、サンルイの幼稚園の中で一番工作をしたと思います。

だって、ほとんど毎日やったもんね。

空き箱や空き缶、段ボール、布切れをもってきて、

「なんかつくろうよ!」と言ってくれたのは、

とてもうれしかったです。

歌もほとんど毎日歌ったね。

工作は、ジビもがんばって準備しましたが、

トントンパテもたーくさん手伝ってくれました。

タタンバーチョ、タタアミも手伝ってくれました。

先生たちにありがとうだね。

お家で日本語の歌歌ってるよー

ってお母さんが教えてくれることもありました。

お母さんが口ずさむと

全く違う歌になっていたのは不思議ですが…。

あ!大きな栗の木下では、

みんなもお母さんも、先生みんな上手に歌えたね。

トントンパテクラスは、お散歩にも行ったね。

はじめてだったね、お散歩。

みんながペットボトルと切布でつくったカバンをもって

ココナッツの実を拾いに行ったことを覚えてるかな?

絵本の読み聞かせもたくさんしました。

絵本は、幼稚園にはありませんでしたね。

どこからきたか知っているかな?

トントンパテが、図書館やほかの子どもたちが集まる施設へ行って、

貸してくださいとお願いしていたんだよ。

園生活、ぜーんぶ、たのしかったよ!

外遊びからお部屋に戻るとき、

キャンプだほい!キャンプだほい!キャンプだほいほいほーい!

と歌う姿は可愛かったです。

卒園のとき、にじも上手に歌えました。

いくつか新しいフランス語の歌も紹介しましたが、

上手に振り付けもできました。リズム感がすごい!

じゅーすぃーざん ぷてぃ まるてぃあん!

火星人の歌、覚えていますか?

ヒーローのように手作りお面をつけて走る姿、

毎朝、教室に入って丸く円をつくって座って待ってたみんなと

クラスが始まるまで折り紙したこと、

手作りシャボン玉で遊んだこと、

大きな大きな紙ヒコーキをとばしたこと、

たくさんのことを忘れないよ。

ありがとう。

孤児院のおこちゃまたち。

少し大人になったかな?笑

孤児院の門をくぐった瞬間、

名前を呼んで走って来てくれたみんなが大好きでした。

ボクの胸に文字通り飛び込んで来てくれる子もいましたが、

あれは、結構痛いし、

そのまま抱っこするのはなかなか難しいんだよ。

覚えておいてね。笑

気がついたら背を抜かれていたり、

腕相撲で負けるようになったり、

みんなの成長を日々感じていたよ。

ハサミで上手に切れるようになったし、

筆の使い方も上手になって

きれいに絵の具で色を塗れるようになったね。

たくさん調理もしたから、

材料を測るのも上手になりました。

ピザもたくさん焼いたね。

フルーツピザも焼いたしチーズたっぷりピザも焼いたね。

おいしかったなぁ。

顔に小麦粉を塗っていたみんなを思い出して、

思わずにやにやしてしまうときが、今でもあります。

ストローを使った手作り竹とんぼは、

7割の人が飛ばせなかったね。

何故でしょう?うーん。

忘れていけないのはゆかりだね。

手作りポテトチップスをつくったとき、

塩だけじゃなく、日本のふりかけで味付けをしたね。

ずばり、マギージャポネ!

のりしお、のりたま、いろいろな味を

みんなは楽しんでいたけれど、

ゆかり味は、どうも口に合わなかったようだった。

その日のサッカー。

シュートを思い切り外した子に、

あんか ゆかり!

とみんなが叫んでいた。

おまえ、ゆかりかよ!

と叫ぶみんなをみて言葉を失いました。

ケンカをとめたとき、殴られてしまったこともありました。

本当に痛かった。

あの強さはどこから来るのかなと悩んだこともありました。

みんなのイライラする気持ちはどこから来るのかなと。

だから、言葉で伝えて、

言葉で怒ったことを伝えて、

と、みんなに言うことがたくさんありましたが、

他にもなにか言えたのではないかと反省しています。

ごめんね。

本当の自分の弟、妹のようで、かわいかったです。

日本文化紹介では、

日本?え、行きたくない。

っていう正直な感想も心温かくなりました。

日本の子どもで、

ここまで正直に伝えられる子どもはいるだろうかと

考えさせられました。

きっと、こう答えればいいんでしょって、

先生や大人が求める答えを言うなんて子どもも

いるのではないかってね。

アトリエジビは、

毎回毎回、とても楽しみにしていました。

みんなも同じように感じていたら嬉しいな。

ありがとう。

❅❅❅❅❅❅❅❅❅

たりべちゃま。

なにをどうキミたちに伝えようか。

たくさん遊んだけれど、シャワー!洗濯!清潔に!

なんてたくさん言ったね。

サンルイに遊びに来てくれたボクの友だち、同じ協力隊員は、

サンルイのたりべちゃまはきれいだね!と驚いていたよ。

どうか、健康で!という思いからの衛生指導でした。

公共の井戸まで歩いたり、無料診療所へ行ったりしたね。

でも、きみたちは大人に対して警戒しているのか、

診療所には入らなかった。

大人を怖いと思うかもしれないけど、

大人を信じられないかもしれないけど、

いい大人も悪い大人もいると思ってほしい。

日曜日の朝、うちのアパートに洗濯にきたこともあるね。

敷地内の蛇口で水浴びをしたこともあったね。

水が真っ茶色だったのをぼくは鮮明に覚えています。

体や洋服を洗っても洗っても、茶色なのでした。

洗えば洗うほど、においも出てきたのを覚えています。

栄養の話もしたね。

道端でご飯を分けてもらうことがほとんどのキミたち。

道端でよくもらえるものの中で、

こんなときは、これをもらおうなんて話もしたことがあるね。

カルシウムはチェブジェンの魚だ!とか

くだもの売ってるおじさんからマンゴーもらっちゃえ!

とかね。

正直に話せば、

少し任地を離れて、サンルイにもどったとき、

みんなのにおいを感じて帰ってきたと思っていました。

ほこり?汗?

でもね、あのにおいも大切な思い出なのです。

そして、みんなと遊んだときに着ていた

ボクの洋服を手洗いしているとき、

その服からみんなのにおいがしたこともあったのだよ。

仲間になれた気がしたような、しなかったような。

そういえば、遠足にも行ったね。

裸足のみんなが美術展で作品を見る姿は、

かっこよかったよ!

これからもいろいろな経験をしてほしいです。

まだ思い出はあります。

私が体調を崩したとき、家まで

バナナと豆を挟んだパンを持ってきてくれたことがあったね。

あれは、今までたべたバナナの中で一番おいしかったよ。

冷えていたパンなのに、あたたかく感じたよ。

嬉しくて嬉しくて、熱が上がりました。笑

たくさんの優しさをありがとう。

ありがとう。

みんなには、かっこいい大人になってほしいと思います。

眩しいほど輝く大人になってほしいと思います。

どんな大人でしょうか?

ぜひ夢を持ってほしい。

夢中になれるものを見つけてほしい。

愛せる人に出会ってほしいと思います。

夢を見つけ、努力しても努力しても、

その夢にたどり着かないかもしれません。

そもそも努力できる環境にないかもしれません。

諦めるな!夢に向かって走り続けろ!とは言いませんが、

負けないでほしいと思います。

自分の選択に納得してから、歩み続けて下さい。

努力してもたどり着かないかもしれないと言いましたが、

その努力は必ずどこかで報われます。

ぼくはそう信じています。

夢に向かって生きるとき、

ひとと違う生き方になるかもしれません。

夢に向かって生きる姿はかっこいいですが、

とても大変なことだということを忘れないで下さい。

苦しい道のりだと覚悟して下さい。

一歩を踏み出す勇気がない、という子もいるでしょう。

でも大丈夫!

応援してくれる人が必ずいるから。

失敗してもいいのです。途中でやめてもいいのです。

きみの生き方を認めてくれる人は必ずいるからね。

認めるという話を。

もしかしたら、

もう少し大きくなってから読んだ方がいい子も

いるかもしれないので、

いっしょにいる大人の人、

たとえば、お母さんかお父さん、

先生や指導員に聞いてみてね。

タリベの子の中に、コンドームがほしいと

ぼくの家に来たことがある子がいました。

話を聞けば、

性的嗜好が同性にある人との関係があるとのこと。

イスラム教徒である彼は、

様々な葛藤があったでしょう。

性病の知識も少なからずあったから、

そのような恐怖もあったでしょう。

なんでこんなことをしているんだ、

自分はもうダメだ、汚れてしまっている

と思っていたかもしれません。

彼はお金のためだと言っていました。

語弊がありますが、

それでもぼくは彼の生き方を認めたい。

彼が葛藤していながら

そのような行為に至らなくてはならなかった社会に

責任があると思います。

しょうがないの一言で済ませられないけれど、

キミの味方だと伝えたい。

きみの選んだ道を否定したくない。

そう思っていたし、いまもそう思います。

うちのアパートの掃除をしに、

あるいはアトリエに遊びに来る日が続いてしまいましたが、

病院へ行ってみようかと話したら、来なくなり、

それ以来会えなくなりました。

元気にしていますか?

話を戻そう。

ぼくはみんなのおかげでセネガルでの

JICA青年海外協力隊の生活がとても楽しかった。

毎日が充実していた。

本当にありがとう。

本当に、ありがとう。

いつかまた、キミと出会った時に、

再会の喜びを分かち合えるように、

ぼくは、

自分自身を誇れるように、

みんなに胸を張って話せるように、

毎日を一生懸命に過ごしていきます。

めるしー!

じゅるじゅふ!

じゃーらーま!

しゅくらん!

たくさんのありがとうの気持ちをこめて。

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