みんなあのねのセネガル便り(西村隊員は帰国しました。)

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西村 綾介
神奈川県

タイプ/職種
青年海外協力隊
青少年活動
派遣国
アフリカ
セネガル サンルイ州サンルイ市
一言メッセージ
ボクでなきゃ!キミでなきゃ!たわむことのできるしなやかな軸をもって、子どもたちの笑顔のために力を合わせて頑張ります。

 

みんなあのね、「セネガルと日本の間で」

2017.07.11

その他 帰国後発信 文化 生活

帰国して10日余り。

日本の生活が始まると、セネガルでの生活が

さらに過去のものになっていくような感覚でいる。

しかし、やっぱりセネガルにいたんだという気持ちになることもある。

それは、人と話をしているとき、

ついつい現地語が出てきてしまうときのこと。

その一つが「マッサ」という言葉。

この言葉、セネガルではとてもよく耳にする言葉で、

日本語に訳すならば、

「気にするな」「ドンマイ」「残念だったね」といったところ。

たとえば、

私がセネガルで風邪をひいたとき、

セネガルのお母さんナフィも、活動先の同僚も、

私に「マッサ」と言った。

私が足の小指をイスの角にぶつけて痛がっているときにも、

私に「マッサ」と言った。

また、私が風邪をひいたときも私に「マッサ」と言った。

幼稚園の先生方、トントンパテもタタアミもタタンバーチョも、

たとえば子どもが転んだときには「マッサ」と声をかけ、

子ども同士ケンカになり、泣いている子どもにも「マッサ」と言った。

そういえば、朝寝坊をして朝ご飯を食べずに幼稚園へ行ったとき、

「おなかすいた」と言うと「マッサ」と言われたことがある。

日本に帰って来て、

乗ろうとしていた電車に乗り遅れた自分に「マッサ」と思い、

忘れ物をした自分に「マッサ」と思い、

現在のシゴト先の施設の子どもが飲み物をこぼしたときに、

私は「マッサ」と言った。

「本日、途中駅混雑の影響で、3分ほど遅れて到着いたします。

 ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。」

先日乗った電車でのアナウンス。

電車の3分の遅延に対しての謝罪の放送だ。

セネガルでは、「時間通りに」ということはほとんどなかった。

活動先の幼稚園もクラスが始まるのもだいたい8時半で、

いつも時間通りに始まるわけではなかったし、

10時に待ち合わせをしても、会えたのは10時を大きく過ぎて、

ということも多々あったし、

時刻表のあった都市間移動バス、

11時に首都ダカールを出て、17時にサンルイに到着のバスは、

だいたい11時過ぎにターミナルを出発していた。

セネガルにいるとき、この11時過ぎにバスが出ても、

定刻通りの出発だと感じていた。

セネガルでは、

11時は、11時から11時半くらいを指し、

いまは、ちょうどいまから23時間後を指し、

あしたは、あしたから明後日を指していた。

11時に会議を始めよう」は、

11時以降、人が集まったら始めようという意味で、

待ち合わせ場所にいない人に電話口で言われる「いま行く!」は、

その23時間後、もしくはお昼過ぎ、休憩終わり、など

区切りのいい時に行くよという意味で、

「あしたまでにシゴトお願いね」と私が言えば、

あしたまでに終わればいいけど、

あさってかもう数日後には終わらせてねという意味で

セネガル人には伝わる。

セネガルでは、

時間で待ち合わせすることは少なかったように思う。

「お昼ご飯食べたらね」「夕方のお祈りの時間のあとに」

「シゴトが終わったら行くね」「涼しくなってきたら家出るね」

と約束をしていた。

セネガルで生活が始まったばかりの頃は、

セネガル人はなんてルーズなんだ、

なんのために時計をつけているんだ!と思っていたけれど、

セネガルの生活に慣れてしまえば、

日本人はなんで時間に追われて生活をしているんだと思った。

相手のことを考え、時間を守ることは大切だ。

きちきちし過ぎすにおおらかにいることも大切だ。

時間に対する考えや感覚は、

日本人のもの、セネガル人のもの、どちらも良さがある。

日本の電車やバスには優先席がある。

お年寄りや体の不自由な方、妊娠中の方などに

席を譲りましょう、という優先席。

セネガルを走るバスには、優先席はなかったけれど、

日本で優先席が必要とされるという人たちが乗ってくれば、

誰かがすぐに立ち上がって席を譲っていた。

小さな赤ん坊や子どもを連れているお母さんが乗ってくれば、

子どもを呼び寄せて自分の膝の上に座らせていた。

重い荷物を持った人や荷物の多い人が乗ってくれば、

乗り降りするときに手伝っていた。

「手伝おうか?」なんて言わずに、手が伸びていた。

私は、「中国人だから」と席を譲られたことがあった。

「中国人ではなくて日本人だよ~!」と

その人とは会話が盛り上がったのだか、

セネガルのバスの中では席の譲り合いになる。

4人掛けの長椅子(私には、きっと日本人の目には映る椅子)に、

5人座れると思うのもセネガル人の良さ。

お尻を左右に振るようにして狭い隙間でも座る。

日本では、足を閉じて座りましょうなんていうポスターがあったり、

優先席のステッカーだけでなく放送が流れたり、

電車の始発駅などでは

押し合わずゆっくりご乗車下さいと放送が流れたりする。

今日、電車に乗ってセネガルのバスでの思い出を振り返り

ふと窓の外に目をやったとき、

「日本人はルールがなければなにもできないのか」と

言われたことをふと思い出した。

「日本人はルールが好きだな」と言われたこともあったっけ。