JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「文化へ」

JICA世界日記では、

みんなあのねと語りかけるようにセネガルのことを

皆さんにお伝えできたらと思っていたけれど、

私の日記のように活動のことが中心になっていたので、

私自身が訪れ、見てきた景色も

少しずつお伝えしようと思う。

セネガルの南東部のケドゥグ州に位置するバサリ地方。

バサリ地方の中でも、

バサリ、フラ、ベディクの文化的景観は、

2012年にユネスコの世界遺産に登録されている。

ギニアやマリの国境にも近いこの地方は、

バサリ人、フラ人(プル人)、ベディク人らが

伝統的な生活を守って暮らしている。

セネガルでも珍しい丘陵地で、緑の自然が美しい地域である。

セネガル川、ニジェール川、ガンビア川の水源となる。

バサリに住む民族の昔から続く暮らしは、

自然環境と密接に結びついていて、

独特の宗教的慣習や仮面をつけた土着の祭りの文化など、

この地で形成された生産活動や祭礼に基づく

文化的景観群を作りだしている。

首都ダカールから600キロ以上離れたケドゥグ州のバサリ地方には、

自らの文化を誇りに思い、守り続け、自然と共に生きる人々がいる。

セネガルの南東部、バサリ地方を有するケドゥグ州には、

ニョコロ=コバ国立公園があり、世界遺産に登録されている。

ギニアとの国境にも近く、

ニョコロ=コバ川とクルントゥ川にはさまれた広大な自然公園だ。

その総面積は9130平方キロメートルもあり、

西アフリカ最大の規模を誇る。

乾燥地帯から湿地帯への移行地帯にあり、生息する動植物も多彩である。

公園内のアシリク山は、セネガル最後のゾウの生息地ともなっている。

ライオンやヒョウ、チンパンジー、ヒヒ、カバなども生息していて、

生息する哺乳類の種類は、約80種類にもなる。

自然に富んだニョコロ=コバ国立公園では、

アフリカゾウやライオンなどの密猟が問題化していることや

近くのガンビア川ではダム建設が計画されていることなどから、

危機遺産ともされている。

サルーム・デルタは2011年にユネスコ世界遺産に登録された。

セネガルのファティック州、大西洋岸に位置し、

サルーム川、ジョンボ川、バンジャラ川の3つの川によって

形作られた広大なデルタ地帯で、

200以上の島々、マングローブの森、大西洋の海洋環境や乾燥林、

汽水域の水路などがある。

貝類も含めた漁業が人々の生活を支えてきた痕跡が残り、

ここでは多くの貝塚が発見されていて、

何世代にもわたって積み上げられた数百メートルにおよぶ貝塚もある。

考古学的な価値の高い埋葬品も発掘されているそう。

渡り鳥の重要な繁殖地にもなっている。

サルーム・デルタに暮らす人々は

少なくとも紀元前4世紀以降、干し貝作りを営みはじめた。

そして、その貝殻によって大きな貝塚群が数百と作り上げられてきた。

干し貝作り自体は今もサルーム・デルタで行われている。

それに加え、現在の水産で重要になっているのがエビ漁である。

サルーム・デルタでも海岸部では、魚類が豊富で、

ほぼ一年中、何らかの漁が行われている。

しかし、エビ主産地である内陸部の場合は、

雨季にはトウジンビエや落花生の栽培をしている。

生物多様性に富んだ自然環境と調和する貝塚群の存在、

そこに住む人々の生活の営み。

サルーム・デルタの文化的景観は美しい。

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