2017/04/02 Sun
その他 文化 生活
みんなあのね、「文化へ」
JICA世界日記では、
みんなあのねと語りかけるようにセネガルのことを
皆さんにお伝えできたらと思っていたけれど、
私の日記のように活動のことが中心になっていたので、
私自身が訪れ、見てきた景色も
少しずつお伝えしようと思う。
セネガルの南東部のケドゥグ州に位置するバサリ地方。
バサリ地方の中でも、
バサリ、フラ、ベディクの文化的景観は、
2012年にユネスコの世界遺産に登録されている。
ギニアやマリの国境にも近いこの地方は、
バサリ人、フラ人(プル人)、ベディク人らが
伝統的な生活を守って暮らしている。
セネガルでも珍しい丘陵地で、緑の自然が美しい地域である。
セネガル川、ニジェール川、ガンビア川の水源となる。
バサリに住む民族の昔から続く暮らしは、
自然環境と密接に結びついていて、
独特の宗教的慣習や仮面をつけた土着の祭りの文化など、
この地で形成された生産活動や祭礼に基づく
文化的景観群を作りだしている。
首都ダカールから600キロ以上離れたケドゥグ州のバサリ地方には、
自らの文化を誇りに思い、守り続け、自然と共に生きる人々がいる。
セネガルの南東部、バサリ地方を有するケドゥグ州には、
ニョコロ=コバ国立公園があり、世界遺産に登録されている。
ギニアとの国境にも近く、
ニョコロ=コバ川とクルントゥ川にはさまれた広大な自然公園だ。
その総面積は9130平方キロメートルもあり、
西アフリカ最大の規模を誇る。
乾燥地帯から湿地帯への移行地帯にあり、生息する動植物も多彩である。
公園内のアシリク山は、セネガル最後のゾウの生息地ともなっている。
ライオンやヒョウ、チンパンジー、ヒヒ、カバなども生息していて、
生息する哺乳類の種類は、約80種類にもなる。
自然に富んだニョコロ=コバ国立公園では、
アフリカゾウやライオンなどの密猟が問題化していることや
近くのガンビア川ではダム建設が計画されていることなどから、
危機遺産ともされている。
サルーム・デルタは2011年にユネスコ世界遺産に登録された。
セネガルのファティック州、大西洋岸に位置し、
サルーム川、ジョンボ川、バンジャラ川の3つの川によって
形作られた広大なデルタ地帯で、
200以上の島々、マングローブの森、大西洋の海洋環境や乾燥林、
汽水域の水路などがある。
貝類も含めた漁業が人々の生活を支えてきた痕跡が残り、
ここでは多くの貝塚が発見されていて、
何世代にもわたって積み上げられた数百メートルにおよぶ貝塚もある。
考古学的な価値の高い埋葬品も発掘されているそう。
渡り鳥の重要な繁殖地にもなっている。
サルーム・デルタに暮らす人々は
少なくとも紀元前4世紀以降、干し貝作りを営みはじめた。
そして、その貝殻によって大きな貝塚群が数百と作り上げられてきた。
干し貝作り自体は今もサルーム・デルタで行われている。
それに加え、現在の水産で重要になっているのがエビ漁である。
サルーム・デルタでも海岸部では、魚類が豊富で、
ほぼ一年中、何らかの漁が行われている。
しかし、エビ主産地である内陸部の場合は、
雨季にはトウジンビエや落花生の栽培をしている。
生物多様性に富んだ自然環境と調和する貝塚群の存在、
そこに住む人々の生活の営み。
サルーム・デルタの文化的景観は美しい。
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