JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「タアウ」

タアウとは、現地語(ウォロフ語)で第一子という意味だ。

男の子の第一子でも女の子の第一子でもタアウと呼ぶ。

セネガルでの私のお母さんであるナフィと

家族の話をしていたときに聞いた話であるが、

タアウは、ウォロフ族にとって希望の象徴なのだそう。

第一子に寄せる両親や親せきの期待は大きい。

ナフィは、「第一子は男の子でも女の子でもよかった」と言うが、

男の子の第一子は格別であると考える人もいるそうだ。

結婚以上に女性にとって嬉しいことらしい。

第一子の責任は大きい。

もし父親が亡くなってしまったとき、

第一子の発言力は大きくなる。

家族で代々畑を継いでいる、漁に出ている、という家族は、

特に第一子に対する期待も大きくなる。

日本には、「一姫二太郎」という言葉があると話すと、

2人でおしまいなの?」とナフィは言う。

私の任地サンルイはセネガルの地方都市のひとつだけれど、

どこの家も少なくても3人は子どもがいて、

7人や8人きょうだいという家もある。

「子どもがほしいというときは、あれこれ考えるけれど、

 いざ子どもを授かったとき思ったことは、

 無事に生まれてほしいということだけだった。」

とナフィは話してくれた。

「流産したことがある」

「幼い子ども亡くしたことがある」

というお母さんを私は数人知っている。

セーフ(セーハ)という言葉がる。

ウォロフ語で双子という意味だ。

先日、私がお世話になっているセネガルでの家族のヒツジが

セーフを産んだ。

2匹とも女の子で、とても可愛らしい。

へその緒を垂らしながら歩く姿を見ると、

生きるたくましさを感じてしまう。

2匹のヒツジは売ることなく育てるのだそう。

セネガルでは、家畜は財産という家庭も多い。

セネガルに住む人の約14パーセントを占めるプラール族は

遊牧民を起源としていて、いまでも牧畜を営む人が多く、

私の任地サンルイでも家畜の群れを見ることができる。

毎日歩いて草のあるところまで家畜を連れていき、

ご飯を食べさせて帰ってくるそう。

ちなみに私が青年海外協力隊としてセネガルに派遣され、

現地語語学訓練の際にお世話になったホームステイ先も

プラール族の家庭だったが、

お父さんはセメント工場で働いており、

家に動物はいなかった。

ちなみに、私の任地サンルイには、

町中にヒツジやヤギがたくさんいて、

ペリカンやオオトカゲもいる。

町の中心から離れれば牛やサル、リスがいて、

動物のフンを踏んでしまっても

「フンくらい踏むよ」と気にしなくなった。

私の任地サンルイは、

セネガル川の河口に位置し、人口は18万人ほど。

モーリタニアとの国境の町で、

市の中心のサンルイ島は、

植民地時代の負の遺産としてユネスコ世界遺産に登録されている。

(以前の記事、みんなあのねの「サンルイ浪漫」

 http://world-diary.jica.go.jp/nishimura/culture/post_10.php

私の家から30分ほどのところに位置する

イドロバーズという地区がある。

セネガルでも有数の人口密度が高いゲンダール地区を過ぎたところで、

大西洋に面したきれいな砂浜が広がる地区だ。

ここイドロバーズは、ゲンダール地区の隣であるのに

とても静かでゆったりとした時間が流れている。

牛の群れが砂浜を歩く風情ある景色が楽しめる。

ここに住む人は、セネガル川で漁をしている漁民が多いそうだ。

漁で使うであろう網を丁寧に編む漁師の姿や

岸にあげられた舟で遊ぶ子どもたちの姿も見ることができる。

イドロバーズでは、大西洋に沈む夕日を楽しむことができる上に、

セネガル川から昇る朝日まで楽しむことができる。

私が任地に配属されたとき、

アフリカのイメージと違うと感じたサンルイだけれど、

サンルイも間違いなくアフリカなのだと感じている。

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