JICA海外協力隊の世界日記

みんなあのねのセネガル便り

みんなあのね、「じゃーらーま!」

青年海外協力隊として2年間、開発途上国で暮らすとき、

もちろん配属先の方々や活動先の方々にとてもお世話になるのだが、

町の人にもとてもとてもお世話になる。

任地を離れるまで3週間となり、

活動の合間をぬってお礼を伝えに行き始めた。

1枚目の写真、左に写る男性は、じゃがいもおじさん。

大きな市場の中にある商店のおじさんで、

私はいつもこのおじさんからじゃがいもと玉ねぎを買っている。

ある日、私は他の人からニンジンやピーマンなどの野菜、

缶詰や水などを買ってからじゃがいもおじさんのもとへ。

とても暑かったその日、私はじゃがいもおじさんのところで

水を飲みながら少し休憩させてもらい、

じゃがいもと玉ねぎを買って家に帰った。

家に帰って気が付いたのだけれど、

私はニンジンやピーマンなどの野菜や缶詰を入れた袋を

じゃがいもおじさんのところに置き忘れていた。

その時は顔馴染みでもなかったので、

「きっと野菜取られてしまったなぁ」と思っていた。

暑い中また市場へ行くのも億劫だったし、

現地の人も「市場はスリが多いから気をつけた方がいい」

と言っているのもあって、私は完全にあきらめた。

その日の夕方、知り合いのセネガル人から電話が来て、

「野菜と缶詰を市場の商店に忘れただろう」と言う。

話を聞けば、

顔馴染みでもなかったじゃがいもおじさんが、

「日本人が野菜を忘れて行ったからその日本人を探している」

といろいろな人に声をかけていたらしい。

私は、セネガル人の優しさに感動し、

それ以来じゃがいもおじさんのところ以外で

じゃがいもは買ったことがない。

じゃがいもおじさん、ありがとう!

2枚目の写真に写る女性は、エビおばさんである。

エビおばさんは、文字通りエビを売っている女性である。

私の自宅と活動先の幼稚園や孤児院までの路上でエビを売っていた。

先輩隊員からエビおばさんを紹介してもらい、

それ以来、エビはこのえびおばさんから買っている。

いつも「○○さんは元気にしている?」と

先輩隊員の近況を聞いてくるエビおばさん。

500グラムちょうだいね」とお願いすれば、

「わたしの友だちだから」と言って、

1キロくらい袋いっぱいにエビをいれてくれる。

路上で商売をしている人は任地サンルイにはたくさんいて、

そのような人から野菜や果物を買ったことがあるけれど、

一度買うと、「この前来たな、買えよ!」「なんで買わないんだ?」

などと声をかけられたり、

「お金ちょうだい」「そのカバンちょうだい」と声をかけられたりして、

私は現地の人の距離感に戸惑うことも度々あったのだけれど、

エビおばさんは、そのようなことは一度も言わず、

「元気?」「○○さんは日本で元気にやっている?」

と笑顔で声をかけてくれ、

私にとってありがたい存在であった。

朝早くから日が暮れるまでいつも路上でエビを売っていたエビおばさん。

エビおばさん、ありがとう!

さて3枚目の写真に写る男性は、お調子者おじさんである。

いつも元気に挨拶をしてくれるお調子者おじさん。

元気の挨拶のあとは決まって、

「セネガル人の恋人はできたか?」

「結婚はいつするんだ?」

「俺に日本人女性を紹介してくれ!」

ということをいつも言うお調子者おじさん。

特に思い出のエピソードもないのだけれど、

お礼を言いに行こうと思い浮かんだお調子者おじさん。

きっと彼の元気な挨拶に元気をもらっていたのだろうと思う。

笑っていればなんとかなると思わせてくれたのかもしれない。

お調子者おじさん、ありがとう!

セネガルの公用語はフランス語だけれど、

生活ではそれぞれの民族の言葉で話すことが多い。

私は、書類はフランス語で、幼稚園の活動はウォロフ語で、

タリベとの活動はプラール語とウォロフ語を使っていた。

タイトルのジャーラーマはプラール語でありがとうの意味。

じゃがいもおじさん、エビおばさん、お調子者おじさん、

ジャーラーマ!

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