2024/02/14 Wed
活動
ワークショップの開催
アーユボーワン!こんにちは!
先日、丸1日時間をもらい、配属先所属の先生たちにワークショップを開催しました。
これまで、月に1回あるティーチャーミーティングの最後に時間をもらって、少しずつ特別支援に関することを伝えていたのですが、なかなか思うように時間がとれず十分にできずにいました。
そこで、カウンターパートに相談し、1日かけたワークショップを開催させてもらいました。
内容としては、これまでの活動の中で感じた、どの学校でも先生たちが困っていることを中心に行いました。
★
①自閉症児について
走り回ったり、大きな声を出したりして、授業に参加することが難しいお子さんについて、多くの学校から相談がありました。そこでそういった特性のあるお子さんは、どんなことを考えて、なぜそうするのか、といったことを中心にお話し、最後にグループで「自分だったらどんな配慮をして、どんな授業をするか」ということについて話し合い、発表してもらいました。
配属先の課題として、先生たち同士の知識や経験の共有が少ないということがありました。なので、普段違う学校の先生たち同士で情報交換をしたり、経験の多い先生と少ない先生が一緒に話したりする機会が作れてよかったです。
② 教材の活用について
国語や算数に取り組む前段階の学習が必要なお子さんには、どんな授業をしたらよいのでしょうか?先生たちも、どうしたらよいのか悩んでいるようでした。また、授業の様子をみると、とにかくノートに文字や数字を摸写させる授業に偏っているように感じていました。
そこで、「プットイン教材」や「一対一対応教材」、「マッチング教材」など、実物を見てもらいながら、子どもたちの発達段階に応じた指導について話をしました。
過去の隊員の方が作成した「手作り教材集」というデータも参考にさせていただきました。
最後に、「プットイン教材」をみんなで作って、どのように学習を発展させていくかということもお話をしました。
③摂食指導について
食べ物を上手に食べられないと、時に命をも脅かします。障害のあるお子さんのなかには、危険なく飲み物を飲んだり、食べものを噛んだり、飲み込んだりすることが難しいお子さんもいます。こういったお子さんに、安全に食べたり飲んだりしてもらうには、どうしたらよいか、食べることに障害があるとはどういうことか、ということを先生たちに学んでほしいと思い、企画しました。
実際に飲んだり、食べたりしてもらいながら、姿勢の取り方や、食形態の選び方など実感してもらいました。いろいろな食べ物を用意して食べながら行ったからか、とても好評でした。
この内容について始めて知ったという先生も多く、実施して本当に良かったです。ぜひ保護者にも伝えてほしいと話をしました。食事で命を落とす子どもが一人でも少なくなるように願っています。
④教室の環境設定と授業計画を作成するにあたって(ウダヤンガニ先生)
配属先の先生の中には、かつてJICAの援助で日本で幼児教育・特別支援教育について学んだことのある先生がいます。しかし、せっかくの経験が活かされていませんでした。そこで、その先生に講師になってもらい、お話をしてもらいました。とても良い取り組みをしており、ぜひ他の先生にも参考にしてほしかったので、よい機会でした。
⑤知的障害のある子どもの指導について(マルカーンティ先生)
もう一人、昨年度定年退職された、経験豊富な先生に講師を務めていただきました。先生お手製の資料や、教材などを使って、先生の得意分野である知的障害のある子どもの指導についてお話をしてくれました。先生の娘さんは聴覚障害がありますが、今は同じように配属先で先生として働いています。彼女も手話を使った歌やお話を披露してくれ、「自分の学校でもやりたい!」と先生たちに大好評でした。
⑥おまけ 手作り保護帽
てんかん発作があり、頻繁に転倒し頭に傷を負ってしまう女の子がいました。頭部のせめてもの保護のために、手作り保護帽を提案したところ、裁縫の得意な先生がきれいに作ってきてくれました。他の先生たちにも紹介すると大好評で、「うちでも作ろう!」「あの子に良いかも」などと話をしていました。
写真はうれしくなって、帽子をかぶって周りに見せてまわる私です。
私がこれまで感じてきた課題として、「先生たちの知識や経験が共有されてない」というところがありました。せっかく長年JICAボランティアが関わり、よい取り組みをしている先生が多いにも関わらず、若手の先生を育成する環境が整っていませんでした。
今回は、その課題解決の一助になればと、経験豊富な先生に講師を頼みました。
やはり流暢なシンハラ語で説明があると、先生たちの理解度も違いますし、先生たちも取り組みやすいようでとても好評でした。最後には、これからも先生たち同士で今回のように学びあう機会を作ろうと話になり、とてもうれしく思いました。
SHARE