2015/05/21 Thu
活動
牛のごはん
![](https://world-diary.jica.go.jp/obipara/%E7%89%9B%E9%A3%9F%E4%BA%8B%E4%B8%AD.jpg)
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こんにちは。サンペドロ・デル・パラナ市派遣の家畜飼育隊員、弓削です。
5月、南半球にあるパラグアイは、冬に向かっています。
冬になればサトウキビやカメルーンといった青刈り飼料の生育は悪くなります。
茎も固くなり、もちろん栄養価も落ち、牧草地の草は枯れてしまい・・・
と、冬の飼料不足は多くの酪農家が抱える問題です。
そこで注目されるものが、乾草やサイレージといった保存飼料です。
乾草はその名の通り、牧草をただ乾燥させたもの。
サイレージは牧草をサイロ(家畜の飼料を保存する場所、容器等のこと)に詰めて乳酸発酵させたもの。
人間にとっては独特なにおいがするかもしれませんが、牛にとってはごちそうのようです。
私は今年の冬に向けて、保存飼料の中でもサイレージに注目し、
酪農家にサイレージ普及活動を行ってきました。
サイレージの作りかたはとっても簡単。
①飼料作物を収穫
(背の高い、紫のものがカメルーンと呼ばれる青刈り飼料です。その日に必要な分だけを収穫して給与するのが一般的です。)
②細かく細断
③サイロにつめる
(低コストでできる小麦の袋(白)とゴミ袋(黒)をサイロとして使用)
④踏んで空気を抜く
⑤空気が入らないように密封する
![](https://world-diary.jica.go.jp/obipara/Como%20hace%20el%20ensilaje.jpg)
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これでもか!というほど踏んで、空気を抜きます、
きちんと踏圧、密封されたものは自然と発酵をはじめ、
30日~45日後にはサイレージの完成。
工程だけを見ると簡単なように見えますが、なかなか一筋縄ではいきません。
成長しすぎたカメルーンは茎の部分がとても固くなり、踏んだときにそのまま袋に穴をあけてしまったり、
安いゴミ袋を使ったためか、接合部分(底など、つなぎの部分)が裂けてしまったり、
その他にも飼料作物の水分調整がうまくいかなかったり、
袋を閉める際に針金を使ったら、その先端で袋に穴を開けてしまった酪農家までいたり・・・
実際に作業を行わなければ気付かないことが山ほどあり、試行錯誤の繰り返しでした。
なんとか無事に計17戸の酪農家を訪問し、サイレージ調整もひと段落。
あとは、冬の開封を待つだけです。
私自身、作業を見たことはありましたが、
サイレージ調整に1から携わるのは初めての経験。
袋に穴は開いてないか、ちゃんと発酵するのか、腐敗しないか等々、不安はたくさんありますが、ひとまず、
おいしいサイレージになりますように!
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