JICA海外協力隊の世界日記

牛vaca日誌 in PARAGUAY

酪農巡回について

どーも、みなさん、こんにちは!

コロネルボガード市派遣、家畜飼育の宮﨑杏花音です。

今回は、自分が行っている活動について紹介を行いたいと思います。

自分がメインで行っている活動はずばり酪農家巡回です。

最低でも月に一回ペースで酪農家さんのもとに行き、牛の健康状態、繁殖状況の確認や技術紹介を行っています。現在、主に巡回しているのは6軒です。

支援を行っているUPROCOOP農協には15軒の酪農家がいますが、その内6軒は、現在搾乳牛を飼っていません。

なぜ酪農家なのに搾乳牛がいないのかというと、その要因はさまざまです。搾乳牛が2.3頭のみであり現在妊娠していないため搾乳していない酪農家、これから始めていきたいと思っている酪農家、肉用と兼業で行っており、毎日搾乳を行うのが困難なため現在肉用に切り替えた酪農家など、諸々のケースがあります。

日本のようにインフラが整備されている国ならば、定期巡回するのは楽だと思います。

しかし、ここは発展途上国のパラグアイです。

慣れないバイク、慣れないオフロード、赴任当初は足に青あざを作らない日がないってくらいこけたり、ぶつけたりしました。また、搾乳を見に行くので明け方、辺りがまだ暗く、人の気配が少ない中巡回し、20㎞先の酪農家の家まで行くのにはとても勇気がいりました。街灯なんてものはありません。頼りになるのはバイクのライトだけです。しかしバイクも問題で普通に走っていても、ライトが点いたり消えたりします。そういう時に限って、水たまりがあったり、岩が転がっていたりします。

仮に壊れたとしても、日本のメーカーは高級なので、任地には合う部品が置いてありません。修理屋に持っていったとしてもちょっと待ってとツッコミたくなるような直し方をします。例えば、ネジにあうドライバーがなかったら、ナイフを折って代わりに使います。『いや、もうネジがくちゃくちゃになってもうてるやん。』っていう状況になったりするので、修理中もしっかりと注意して見ないといけません。

個人的にバイクでパラグアイの道を走る上でおすすめしたい方法としては、前方を現地の人が走っていたら、その人が走っていったルートを使うことです。

明らかに道があるのに現地の人は草むらを通る時があります。その時は要注意です。晴れた日ならばその道は砂道で、雨が降ったあとだったならばぬかるみがほぼ100%あります。

バイクでパラグアイに来る予定の方は、参考にしてください。

また、パラグアイの道の話に関しては弓削隊員が過去にブログで説明しているのでそれも併せて参考にしてください。(http://world-diary.jica.go.jp/obipara/activity/post_7.php)

早朝の酪農家巡回は、大変なことばかりではありません。まだ辺りが暗いので、満天の星空を見ることができたり、夏ならばホタルがたくさんいる中を駆け巡ったり、冬だと霧の中を走ったり、たまに野生動物と遭遇したり、言葉にできない絶景の朝焼けを見ることができます。

酪農家さんの家についたら酪農家さんと一緒に搾乳場へ移動します。

そこで、搾乳方法や牛の肥満具合をみたり、乳質を検査したりします。

一か月前と比べて太ったかやせたか、乳質、乳量が良くなっているかどうかをその場で報告します。

搾乳後は酪農家さんとマテを飲みながら雑談し、用意してくれた朝食を食べながら今の酪農の状況を聞きます。

朝食後は牛の繁殖状況の確認を行い、前回訪問していた時に抱えていた問題や自分が気になった点に対して提案を行います。

また、他の酪農家の現状についての写真を見せて、他の酪農家の取り組みを紹介しています。

そこで私が気をつけていることは、絶対に強制はしないことです。彼らにとって必要だと感じたことは、必ず導入してくれます。自分が伝えたいことが上手く伝わって導入してくれたりしたときは思わず飛び跳ねたくなります。

言葉の壁だったり、プレゼンが下手くそだったり、彼らのもとめているものとは違うともちろん受け入れてはくれないです。

実践されなかったらなぜ?と理由を聞き、原因を追求します。しかし、なぜと聞いても答えてはくれなかったり、大変だからという答えがほとんどです。自分は忙しいからそんなことやる暇ないわ。と。だから、聞くことはやめて雰囲気で察することにしました。

その理由に自分も共感できるので、もしできたらやってみてねーと。

最初は快く承諾してくれても持続させるのが難しいです。

しつこくない程度に最近やってないねーと軽く言うようにしています。

とにかく相手のことを褒めまくる。親しくなれるようにありとあらゆる手段を使う。プライドなんか捨てることです。

相手に受け入れてもらえることが一番大事だし、この子が言うならやってみようかしらと思わせたもの勝ちだと思っています。

当り前で簡単な様に思えることかもしれませんが、意外と難しいです。

そんな風に酪農家さんと切磋琢磨してきた時間も残りわずかです。

いつもお世話になっている酪農家さんともう少しで離れることを考えるとなんだか胸にこみ上げるものがあります。

残りの任期も頑張ります。

それではまた次回。

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