JICA海外協力隊の世界日記

牛vaca日誌 in PARAGUAY

皆さんもPique(スナノミ)にご注意を!!

みなさん、こんにちは。

エンカルナシオン・イタプア県庁配属の壁谷英幸です。

今回は、Pique(スナノミ)というノミの話を…

先日、11月03日頃、ベッドから起きると突如左小指に強烈な痛みが…。

上手く歩くことができず、職場まで右足でけんけんして向かいました。

その日は、獣医師さんと共に講習会の準備を行っていたので、裸足になり「左小指が痛いんだ…」と相談。

すると…、

獣医師「ヒデ、これはPiqueという虫が足に寄生しているぞ! 中で、卵を産んでるかもしれないから今日病院行ってきな。」と言われ…人生で、初めての寄生虫侵入と海外でプチ手術を経験することになりました。

どのような生き物が潜伏していたのかというと…

スナノミというノミの一種でした。

スナノミ Tunga penetrans は、南米起源のノミです。雌雄ともに1mmほどであり、雌は交尾したのち足の裏、爪の下、かかと等の体の柔らかい部分の皮膚に潜り込み吸血しながら体を埋没していきます。8〜10日程度で1,000個以上の卵をもつようになり、卵は3〜4日で孵化します。(1回の産卵で150〜200個産むらしい…) 症状として、スナノミが侵入した部位は、足、爪の下などに黒い点が認められます。赤く大きく腫れ、かゆみと痛みが続きます。(見た目は、魚の目にとても似ています)

生息場所は、未開発の地に多く、人だけではなく、農場にいる豚、犬、猫、ネズミに寄生していることもあるそうです。私自身、どこでノミと出会ったのかはわかりません。

残念ながら、私の足が鈍感だったのか、Pique(スナノミ)の潜伏していた期間は、20日ほど…さらに潜伏したところも爪の下でかなり痛い…。

医師も、「これは、かなり痛かっただろう。」とポツリ・

今回は、医師に局部麻酔の後、虫体ごと皮膚の切除をしてもらいました。

術中は、私も昆虫の勉強を大学でしていたので、どういうところに虫が潜んでいるのか見たくなり、手術している手をずっと観察していました。小さな卵も入念にアルコールで洗い流したり、メスで取ったりと25分程度で手術は終了。

看護師さんからも、「Pique(スナノミ)記念に標本にでもするか?」と言われ、一瞬、標本にしようかと考えましたが止めました。

切除後は、指の腫れもすぐに無くなり、少しずつ元の足に戻っています。

術後、4日が経過しましたが、小走りもできるようになりました。

パラグアイでの手術は大丈夫なの?と、日本の友達にも聞かれましたが、全然問題ないと感じています。先生たちも現地の寄生虫ということで何百回も寄生虫を摘出している猛者ですし。日本好きのお医者さんと看護師さんで、手術中もパラグアイの日系移住地に友達がいるだとか、痛い時は、日本語で「痛い」って言っても俺たちは分かるから大丈夫だと優しく処置をしてくれました。

個人的には、皆さん今回のラグビーワールドカップを観ていたそうで、「日本は本当に強いな!南アフリカ戦を観て、俺もラグビーしているから感動したよ!」と言っていて、ここにもラグビーブームが来ている!と驚きました。

今度、お礼を言いにもう一度会いに行こうと思います。

ちなみに、日本にはスナノミはいませんが(いるのだろうか…?)、南米の未開の地に入る方はくれぐれもお気を付けください。

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