JICA海外協力隊の世界日記

牛vaca日誌 in PARAGUAY

都会と田舎

サンペドロ・デル・パラナ市派遣、家畜飼育隊員の弓削です。

7月22日から27日までの1週間、健康診断や活動報告の為に首都アスンシオンに滞在していました。

アスンシオンはやはり都会で、

ショッピングセンターや大型スーパー、映画館、そして、

日本、韓国、中国料理といった、日本人には馴染みのレストランもたくさんあり、

市内はバスの路線が張り巡らされているため移動にも困りません。

(写真:首都アスンシオンの夜景)

一方、私の任地、通称サンペドロは、上記に挙げたものは何一つない田舎街ですが、

1年間もこの街に住んで、

最初は退屈で仕方がない田舎町だったのに、

いつの間にか大好きになっていることに気付きました。

周囲のパラグアイ人がよく使う単語に「Tranquilo:トランキーロ」という単語があります。

直訳すると、「静かな、穏やかな」という意味で、

「~の調子はどう?」と尋ねると、「良いよ」の次に多用される返答が「トランキーロ」です。

私の任地を一言で表すと、まさにこの「トランキーロ」。

どの様な時に「トランキーロ」を感じるのか。

例えば、たくさんの動物が街中でのんびり過ごしている光景を目にしたとき。

アスンシオンにだって、犬、猫、といった動物はたくさんいました。

でも、サンペドロにはそれを上回る種類の動物が町中を闊歩しているのです。

犬は我が物顔で道路の真ん中に寝そべり、車が来ても動きません。しかたなく、避けるのは人間の方です。

猫だって幸せそうにそこらじゅうでお昼寝。バイクの座席部分が猫の足跡で汚れるのが悩みの種。

鶏はせわしなく地面をつついて食べ物を探し、朝、昼、晩関係なく1日中鳴いています。

豚なんかもよく見かけます。犬だ!って思ったら豚だったり、逆に豚だ!って思ったら犬だったりすることもしばしば。

鶏と豚は警戒心が強いのか、私が通るとすぐに逃げてしまいますが、

馬、牛なんかはのんびーりと草を食べています。

ちなみに、そんな彼らは人間を助けるため使役動物として「荷台を引っ張る」という大役を担っているのです。

人々は、時間に追われることなく、

軒先にイスを並べて、道行く人々と挨拶を交わします。

夜に聞こえるのは風の音と、虫の音色。

都会のように車のエンジン音や、音楽ではありません。

確かに都会には買いたいものは何でも揃っていて、移動手段にも困らなくて、全てのものが揃っているように感じます。

しかし、今回の首都滞在で、

都会には「トランキーロ」が足りない、と強く感じました。

都会と田舎、どちらに住みたいか?

と聞かれたら間違いなく、私は「田舎」と答えると思います。

人間と動物、植物が共生していて、

ゆーったりとした時間が流れていて、

そんな私の任地、サンペドロ。

今までは、「なにもない」と否定してしまうことが多かったのですが、

これからは、「こんなものがある」と常に肯定して、

もっともっと、任地のことが好きになれたらいいなぁ、と思いました。

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